■Performance
パワーは6Ω負荷で20W、4Ωのスピーカーまで対応できる。消費電力100W、待機電力0.5Wとなっている。低音が出ない小型スピーカーAIRBOW『IMAGE11/KAI2』を鳴らすと、驚くことに低音が聞こえるような気がする。密閉型の11cmウーハーで能率88dBなのでドライブしにくい部類だが、楽々とドライブしている。タイトな低音で中高音とのつながりもいい。このスピーカーの特徴である音場感の広さ、ハイスピード感、透明感もよく再現されている。今まで高域が鋭すぎるのでサランネットを付けて聴いていたのだが、『RDA-06』で鳴らすと外してもそれが気にならない。それどころボーカルがよりリアルになった。「藤田恵美/ココロの食卓?おかえり愛しき誌たち?」より「街の灯り」を聴くと心が癒される歌声がスピーカーのセンターから流れてきた。
『iPhone』対応の測定用無指向性マイクロフォンDAYTON AUDIO『iMM-6』を使って『IMAGE11/KAI2』の周波数特性を測ってみた。黄色が今回測定、ピンクが以前測定した結果だ。やはり200Hz以下の低音はほとんど再生されないことが判明。
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■研究結果
ROTELのデジタルアンプは期待を裏切ることなく、やはりROTELらしい音を聴かせてくれた。厚みがあってウォームな音。それでいて歯切れ良くスピード感がある。ボーカルはつややかでとげとげしい感じがない。大型スピーカーを鳴らせるドライブ能力があるが、真価を発揮するのはやはり小型スピーカーと組み合わせた場合だと思う。音の印象はDACの『RDD-06』の方が骨太でホットな音だった。『RDA-06』はそれよりも中庸であり、さわやかな音の表現も得意だ。つまりクラスDの良さを取り入れつつROTELらしさをそこに加えた感じだ。音の個性はやや薄まってスピーカーの音の個性を引き出してくれるプリメインアンプである。試聴した時点ではまだ3月だが、これは10万円以下のベストバイアンプの可能性大だと思う。
●クラスDアンプはドライブ能力が高い
●クラスDアンプは細かい音の再現も得意
●『RDA-06』はメリハリがあって鮮明な音
●『RDA-06』で聴くボーカルはつややか
(文/ゴン川野)
オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!