■研究結果
中国製の真空管アンプは予想外に音が悪かった。まあ送信管を使った変わり種を選んだのだから仕方ない。最初から音が良くては真空管を交換する気にもなれない。まず本機の良さはデザインのユニークさである。横型が好きな人は『手作りFU32シングル真空管ステレオパワーアンプ ヘッドアンプ』がオススメ。デザインはさらにクラシカルだ。真空管は輸送時に断線している可能性があるので、アンプを購入する前に交換用を探しておきたい。特にザラザラの音が嫌いな人は6922か6DJ8、E88CCを入手して、すぐに交換してしまおう。FU32はレアな真空管なので、eBayで小まめにチェックする。BGMで聴くなら北京FU32のままでもいいと思う。粒立ち重視ならrY-32がいい。真空管はエージングで音が変わるので毎日、聴くだけでも楽しめる。また、コンデンサーや抵抗をオーディオ用に交換するという楽しみ方もある。2万円でこれだけ楽しめるのであれば、中華真空管アンプはやはりハイコスパと言えるだろう。最後に付け加えておくとヘッドフォンアンプの音はかなり歪んでいるので、オマケと思っていた方がいい。
●真空管アンプは電源を入れるだけで癒される
●真空管アンプはやはり真空管交換で音が変わる
●真空管アンプだから音がなめらかとは限らない
●真空管アンプの消費電力はハイエンドアンプ並み
(文/ゴン川野)
オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!