■AIRBOW『MSC-120』1.2m/1万5400円(税込)75Ω
ワードクロック専用ケーブルとして逸品館が開発したオリジナルケーブル。同社の12万円のケーブルの70%以上の音質を実現しているという。線材や内部構造などの詳細は未発表。『DB-510』よりも音の粒立ちが良く、クッキリした音になる。これぞルビジウムクロックと思わせてくれた。情報量も増えてボーカルの細かい響きが聞こえてきた。艶やかな音だが、粒立ちがいいので曲によってはキツイ感じになることもあった。低音の量感はある。
コネクターとケーブルは熱伸縮チューブで一体化されている。センターピンは金メッキされているように見える。全体は黒いシールドで被われている。ケーブル自体は硬め
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■OJI Special『8128-XBNC』70cm4万5000円(税別)50Ω
マスタークロック伝送専用ケーブルの50Ωケーブル。今回試聴した中で最も短く長さ70cmである。『MTCSS Unit DAC 8128 UAD』の純正オプションケーブル。ルビジウムクロックの特徴であるS/Nの良さが際立つ。これにより音の粒立ちが浮き上がり、ボーカルはクッキリとなめらかになった。低音はタイトで膨らまない。音像定位が明確になって、ボーカルが前に出てくる押しの強い音だ。『MSC-120』と傾向はにているが、音の粒立ちや低音の出方が違う。
線材や内部構造などの詳細は未発表、かなり硬いケーブルで黒いシールドに被われている。RCA端子の『8128-XCOA』70cm5万3000円(税別)もある
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■研究結果
やはり外部マスタークロックを接続するためのBNCケーブルで音質に差が出た。せっかくなのでこれらのケーブルをワディアデジタルのCDトランスポートと『MTCSS Unit DAC 8128 UAD』の接続に使って、DIATONE『2S-3003』を鳴らした。その結果、PCAudioLab坂本研究員の試聴結果は、値段を無視すればOJI Special『8128-XBNC』がベスト、自分で買うならAIRBOW『MSC-120』という結論に至った。私はマスタークロックの接続に使うならOJI Special『8128-XBNC』が好ましいと思った。しかし、試聴の条件が同じとは言えず、一番短いケーブルだからベストだった可能性もある。機会があれば同じケーブルで長さの違い、インピーダンスの違いを試聴してみたいと思う。
●BNCケーブルは短ければ短いほどいい
●BNCケーブルによる音質変化は見逃せない
●BNCケーブルの自作は結構難易度が高い
(文/ゴン川野)
オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!