■Introduction
クロックシンクを試聴する旅もいよいよ終わりに近付いた。今まで懐疑的だったが、確かにクロックシンクで音質は向上する。組み合わせる機器との相性なんてことを考えなくても、接続するだけでいいのだ。しかし、一点だけ気になるのが、外部マスタークロックを接続するためのBNCケーブルで音が変わるのかどうかだ。せっかくルビジウムクロックまで使うのだから、クロックケーブルで失敗したくない。やはりメーカー純正ケーブルがいいのか。それともケーブルメーカーか。長くて高価なケーブルとハイコスパで短いケーブルとの勝負の行方は!
クロックシンクに使われるケーブルはBNCと呼ばれる同軸ケーブル用のロック端子である。一般的にワードシンク用なら75Ω、10MHz出力用なら50Ωケーブルが使われる。インピーダンスマッチングを取らないと理論的には伝送損失が起こるのだが、1?2mの長さなら無視できるらしい。さらにマスタークロックの出力が75Ωなのか50Ωなのか分からない場合もある。こうなるとどちらがいいか判断に苦しむ、オーディオ的には試聴して決めるしかない。ちなみにMTCSS Unitは50Ωと75Ωの両方のケーブルに対応しているとのこと。
今回の試聴では75Ωケーブルを使用しているが接続が切れるなどの不具合は起こらなかった。手軽に入手できる50Ωケーブルには、オヤイデ電気『RG-58A/U(50Ω)1m BNCP-BNCP』(1469円)がある。今回は使わなかったが、エソテリック『8N-A2000 BNC』1.5m8万5000円(税別)がハイエンド用として存在する。
■Listening
試聴には『MTCSS Unit DAC 8128 UAD』を使い、エソテリック『G-01』+AIRBOW『GPS-10MH』をマスタークロックに使用。『G-01』と『MTCSS Unit DAC 8128 UAD』を接続するBNCケーブルの音質を比較試聴した。パワーアンプはJDF『HQS2400』、スピーカーはApogee『Duetta Signature』。パッシブアッテネータはtc electronic『Level Pilot』をリケーブルしたものを使用。Rebecca Pidgeon「Spanish Harlem」、SHANTI「Killing Me Softly With His Song」、Linda Ronstadt「What’s New/What’s New」などを聴いた。