■結局、クルマに何を求めているのか?
3ブランドのセールスマン氏の説明を聞いてみて断言できることは、各ブランドのサービスの違いが「3年+2年」と「5年」という年数の違いだけではないということ。そもそも、3社ともサービスに対する考え方が違うのだ。
重要なのは、自分がクルマに何を求めるのかをハッキリさせることから、クルマ選びが始まるいうことだ。そこには、クルマそのものの違いだけでなく、当然、サービス体制の違い、保証の違いも含まれる。含まれるどころではなく、サービス体制と保証の違いのほうが、実際に購入して長く乗り続けるうえで、自分の生活に及ぼす影響は大きいはずだ。
プレミアムカーだからこそ、個性やキャラクターの違いは大きく、そこが魅力となっている。しかし、プレミアムカーだから高性能で機能も充実しているという意味では、国内でごく標準的な使い方をする限り、どのクルマを選んでも間違いではないといえる。
安全をはじめとする各種装備にしても、付いていれば安心だが、大事なのはドライバーの運転と意識だ。『3シリーズ』『Cクラス』『IS』なら、必要なものはほぼ最初から付いている。むしろ、装備にこだわり過ぎると、全体が見えなくなってしまうものだ。
だからこそ、サービスの質と内容を、よくよく吟味しておいたほうが賢明だ。それこそクルマは安い買い物ではないのだから。最後に、レクサスのセールスマン氏から、もう1ついいことを教わったので、紹介したい。
「初めて買うブランドのクルマの場合、紹介先を探す人も多いのですが、直接、ディーラーにお越しいただいても、接客に違いはありませんから、ご心配は要りません。むしろ、その方がもしクルマがご自分の期待と違っていて、別のクルマに買い換えたくなったとしても、気兼ねする必要はありません。知人に紹介されてしまうと、なかなかそうはいきませんしね」
彼らから教わったことを叔父貴に全て伝えたうえで、あらためて相談することにした。?
文/金子浩久(かねこ・ひろひさ)
モータリングライター。1961年東京生まれ。新車試乗にモーターショー、クルマ紀行にと地球狭しと駆け巡っている。取材モットーは“説明よりも解釈を”。最新刊に『ユーラシア横断1万5000キロ』。