バルセロナで運転したのは『カイエンS ディーゼル』だ。テールゲートには「PORSCHE Cayenne S」というエンブレムしかついていないので、最初は戸惑った。ディーゼルを表わすものとしては、左右のフロントフェンダーに「diesel」というエンブレムがあるだけだ。『カイエンS ディーゼル』に積まれたディーゼルエンジンは、4.2LのV8ターボとかなり大きい。最高出力385ps、最大トルク850Nm(2000?2750rpmで!)という強大なパワーを発揮する。
そこから導き出されるパフォーマンスは圧倒的で、0→100km/hの加速タイムは5.4秒、最高速度は252km/hに達する。それでいて、燃費が優れているのがディーゼルエンジンのいいところで、100km走るのに消費する軽油の量は、8.0Lに過ぎない。これがガソリンエンジンを積んだ『カイエンS』だと10.0Lになるので、消費燃料は2割も少なくなる。
ちなみに、ガソリンエンジン版の『カイエンS』の最高出力は、今回のビッグマイナーチェンジで20ps増えて420psとなり、最大トルクも50Nm増えて550Nmに増強された。だが、前述の『カイエンS ディーゼル』の850Nmという途方もない値にはかなわない。弟分の『カイエン ディーゼル』は3.0LのV6ターボから262psの最高出力と580Nmの最大トルクを発生する。性能は0→100km/h加速タイムが7.3秒で、最高速度は221km/h。燃費は6.6L/100kmだ。