◎重要な言葉の力を日本文学で学ぶ
トップアスリートは連日報道陣に追われるが、自身の考えを言葉にするのはたやすいことではない。そんな中、15歳の頃から聡明な受け答えで対応し、報道陣をうならせた人物がいる。プロゴルファーの石川遼だ。ノンフィクションライターの柳川悠二氏が言う。
「彼は幼少期からの父の勧めによって、伊藤左千夫の『野菊の墓』など日本近代文学の名作を幾度も読み返してきたといいます。古き良き日本文学に慣れ親しんだことが、自身の考え方だけでなく、プロにとって極めて重要な〝言葉〟の力を磨くことにもつながったのだと思います」
米国ツアー挑戦中の現在は、もっぱら東野圭吾氏の小説を愛読しているというが、東野氏の本は長谷部や松井氏など、スポーツ界にも多数のファンがいる。ちなみに、石川のライバル・松山英樹はアマチュア時代に野村克也氏の著書を読み込んでいたという。
アスリートの〝頭脳〟も、数々の名著によって鍛えられている。
《ザックジャパンを支える世界的な〝自己啓発書〟》
『自助論』
著/サミュエル・スマイルズ
訳/竹内均
1470円 三笠書房
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『人を動かす』
著/デール・カーネギー
訳/山口 博
1575円 創元社