◎憧れを抱ける〝夢の超特急〟の復活
「日本は、鉄道が最も発達した先進国です。便利すぎて、移動を楽しむ……という発想がないように思えます。しかし、東海道新幹線が開通した1964年。乗り物好きだった5歳の僕には、新幹線が〝特別な乗り物〟だったことを覚えています」
この奥山氏の言葉を証明するように、3つのクラスには、旅(=移動)の期待感を高める意匠が、そこかしこに凝らされている。
「よいデザインとは、必ず期待を越える〝何か〟があります。ユーザーはその何かに感動する。僕らが新幹線を通して与えられた使命とはデザインの先に、未来へと新幹線が走り出す〝夢〟を語ることにあったのだと思っています。かつて、子供の僕が新幹線に憧れたように……」
E7/W7系に注がれた“和の未来”のデザインコンセプトは、再び新幹線を〝特別な乗り物〟と感じさせてくれそうだ。
2015年春に運行予定の「TRAIN SUITE四季島」も、奥山氏がプロデュース。E7/W7系同様、〝和〟の要素が盛り込まれる。