仏教の伝統行事、お盆(8月13日~15日)には、亡くなったご先祖様が自宅に帰ってくるといわれている。仏事関連総合サービスの株式会社メモリアルアートの大野屋によると、同社が開設する仏事相談窓口には、この時期お盆に関するお問い合わせが急増するという。同社では、お盆を直前に控え、お盆飾りの意味や正式な飾り方、お盆の事前準備の情報をお問い合わせ事例とともに紹介している。
■「盆棚」の作り方
お盆には、「盆棚」というご先祖様をお迎えする祭壇を作る。棚にはござやまこも(※1)を敷き、中央にお位牌を安置する。ナスやキュウリで作った精霊馬、精進料理のお膳、そうめん、だんご、季節の野菜や果物、故人の好物などのお供え物を供える。棚の左右には盆提灯を飾る。お盆飾りにはお盆にご先祖様が家に帰ってくることを華やかにお迎えし、おもてなしをするという意味がある。
※1「まこも」邪気を払うと言われている植物で作られたござ
■「盆棚」の正式な飾り方
まこもやござを敷いた祭壇を設け、台の四隅に葉のついた青竹を立て、竹の上部にしめ縄を張る。お位牌を仏壇から盆棚へ移し、お供え物や、故人の好物などを供える。
1.素麺
2.昆布
3.ほおずき/精霊が提灯の灯りを頼りに帰ってくるという言い伝えから、ほおずきを提灯に見立てる。
4.生花/バラやトゲのある花は避けましょう。
5.精霊馬/ナスとキュウリに、おがら(※2)や割り箸などを四本の足に見立てて差し込み、牛馬を作る。キュウリの馬は先祖の霊に一刻も早く家に来てもらう為の速い乗り物で、ナスの牛は帰るときにゆっくり帰ってもらうための遅い乗り物の意味と言われている。
6.水の子/ナスやキュウリをさいの目に切り、洗った米を混ぜて清水を満たした器に入れる。
7.みそはぎの花/盆花、精霊花ともいう。
8.百味五果/夏の野菜や果物、または故人の好物を添える。
※2「おがら」皮を剥いだ麻の茎