相変わらず輸入車の人気が高い国内市場で、今、しのぎを削っている2台がある。コンパクトなボディーに先進装備を詰め込んだファミリーカーが売れている理由を探った。
輸入車の販売台数が伸び続けている。2011年は20万台だったが、2013年には27.8万台、2014年は28.8万台となった。内訳を見ると500万円以下の価格帯が半分以上を占めており、ブランド別ではメルセデス・ベンツ、BMW、アウディのドイツ勢3強が元気だ。
一方、車種別に見るとこれまでの2BOXカーを抑え、全高の高いコンパクトSUVが伸びている。中でも最近はメルセデス・ベンツ『Bクラス』とBMW『2シリーズ アクティブ ツアラー』の2台が激しいバトルを繰り広げている。今回はその2台を比較試乗した。先に発売されたのは、BMW。同社初のFF(前輪駆動)車として昨年10月に登場。『218i アクティブ ツアラー』は、3気筒の1.5L、136PSエンジンを搭載している。一方、メルセデス・ベンツ『Bクラス』は今年1月にフルモデルチェンジしたばかり。『B180』は4気筒の1.6L、122PSエンジンを搭載する。
◎日本のマーケットをよく研究して造られた2台
両モデルの特徴は、日本の市場をよく研究し意識していることだ。『アクティブ ツアラー』は全高を1550mm、全幅を1800mmに抑え、日本の立体駐車場やマンションの駐車場基準に合わせている。さらにルームミラーにあるETCは日本専用装備で使い勝手がよい。『Bクラス』も全幅は1785mm、全高も1545mmに抑えたコンパクトサイズ。日本仕様で目につくのはコンパクトクラスなのにリアシートを倒さず、ゴルフバッグが2セット収納できるアタッチメントを用意していること。まさに、この手のクルマを購入する人たちの好みを知り尽くしているようだ。
安全装備に関しても、衝突回避・軽減ブレーキ、車線逸脱警告、アクティブクルーズコントロールなどが装備されている。オプションの自動パーキング装置は共通点だが『アクティブ ツアラー』は縦列駐車のみの対応。今回、試乗した『Bクラス』はベースモデル(307万円)だが、1クラス上の『B180スポーツ』(384万円)はLEDライトを標準で搭載、『218i』のラグジュアリー(381万円)と同等の内容になる。
数日間、この2台を乗り比べてみたが、本当に甲乙つけがたい。視界の広さはフロントに三角窓がある『アクティブツアラー』に分があるが、後席は『Bクラス』のほうが快適に感じた。動力性能もほぼ同レベルで、実用燃費も同じ。ただ価格だけを見るとベースグレードのある『Bクラス』がお得だ。