■連載/ゴン川野のPC Audio Lab
■Introduction
YAMAHAと言えば全段フルバランスアンプをウリにしている。PCAudioLabでも以前『A-S2000』を試聴して、そのドライブ能力の高さに驚かされた。今回はその後継機の『A-S2100』の弟モデルにあたる『A-S1100』を聴く。MOS-FETフローティング&バランス・パワーアンプなのだが、入力はRCAのアンバランスのみという構成で価格を抑えたモデル。希望小売価格は21万6000円。7月下旬に発売されたばかりなので、実勢価格もほぼこれと変わらない。上位モデルとの価格差は約5万円でこれがバランス入力のありなしの違いということになる。
■Design
『A-S2100』と『A-S1100』は共通のデザインで、シルバーのヘアライン仕上げのフロントパネルにピーク/VUメーターを搭載した同社お馴染みのもの。サイドパネルはナチュラルパーチ天然木ツキ板仕上げかピアノブラックカラーが選択できる。定格出力は90W+90W(8Ω)、150W+150W(4Ω)と十分だ。重さは23.3kgもあるので強力な電源部を搭載していることが分かる。ライン入力4系統とMM/MCのフォノ入力を備えるためアナログ派も安心。フォノイコライザーとMCヘッドアンプはディスクリート構成のこったものを採用。今回、試聴するのを忘れたヘッドフォンアンプにはICを使っている。
注目したいのはボリュームで、JRCの高精度ラダー抵抗型電子ボリュームを採用。トーンコントローラーのために高音用、低音用、フラットの3連ボリュームとなっている。電子ボリュームはギャングエラーがないので小音量再生時も正確な音場感が再現されるというメリットがある。