■連載/阿部純子のトレンド探検隊
男性のニーズに徹底的に寄り添ったスキンケア商品で急成長
イギリスで誕生した男性用スキンケアブランド「ブルドッグ スキンケア フォーメン」。日本を含め世界27か国で事業展開し、主力商品のモイスチャライザー(保湿クリーム)は15秒に1個売れているという人気ブランドが本格的に日本に進出する。
日本進出にあたって来日した創業者のひとりサイモン・ダフィー氏は、マーケティングイノベーションの仕事に携わったのち、金融業界で働いていたロードリー・フェリエ氏とニューヨークで出会い2005年に男性用スキンケアブランドを創業、2007年から販売を開始した。
「男性向けスキンケアは女性向けの派生商品しかなく、どのブランドも似たようなパッケージで混乱を招くような専門用語が多かった。また、環境に配慮をした商品も当時はなかった。男性用スキンケアに満足できるものがないフラストレーションから、パッケージや表現もシンプルかつストレート、男性による男性のための商品を作ろうとブランドを立ち上げた。ブランド名は、見かけはちょっと強面だが忠誠心が高くて粘り強く、人間の最良の友になれるブルドッグから命名。ブランドのコピーも“Man’s Best Friend”を掲げている。
二人で出身地のイギリスに戻り資金調達から始め、商品開発、サプライチェーンのパートナー探し、ブランド作りをして2007年にイギリス大手のスーパーマーケット・セインズベリーでデビュー。2010年に進出したスウェーデンではスキンケアの50%のカテゴリーシェアになるなどリーダー的存在に成長した」(ダフィー氏)
商品開発に当たっては男性のニーズや意見を反映し、主力商品のモイスチャライザーはべたつくものは好まないニーズにかなった商品づくりを行っている。天然由来、環境に優しい生産にも徹底し、ブラジルの会社と組んでサトウキビの副産物から作られたサトウキビ製プラスチックのパッケージを採用。二酸化炭素削減にも寄与している。
商品ラインナップは毎日のスキンケアを行う普通肌向け、シェービングでダメージを受けやすい敏感肌向け、湿度の高い地域やオイリー肌向けのオイルコントロールシリーズという3ラインと、日本では未展開のアンチエイジングシリーズもある。ブルドッグ製品はすべて人工着色料、合成香料、動物由来成分は不使用でビーガン、ベジタリアンの使用にも向いている。イギリスでは現在40商品のラインアップだが、日本展開商品は3ライン、10商品。750円~1250円と手ごろな価格帯で、これからスキンケアを始めたいという人にも手に取りやすい価格になっている。