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最安で9万5000円のGoogleスマホ「Pixel 3」は買う価値あり?なし?

2018.10.21

AIを使ったカメラは優秀、「Playground」も遊べる

 背面に搭載されたカメラは1つだけで、スマートフォンでトレンドになっているデュアルカメラやトリプルカメラには対応していない。ただ、Pixel 3/3 XLはその他の端末がハードウェアで実現できていたことを、AIやソフトウェア処理でカバーしている。その1つが、背景にボケを作れるポートレートモードだ。

シングルカメラだが、AIの力で様々な機能を実現している

 こうした機能は他の端末にも搭載されているが、一般的には、2つのカメラの焦点距離の違いを活かし、被写体との距離を測定している。一方でPixel 3/3 XLは、その写真に何が写っているのかを端末がAIで分析する。ピントを合わせた箇所に人や物が写っている場合、そこを中心に、背景をボカすことができるのだ。

 早速、Pixel 3/3 XLで撮った写真を見ていこう。まずは人物だが、髪の毛のような細かな場所までしっかり人物として認識しており、背景が上手にボケている。人の体と腕の間の空間のように、認識に失敗しやすい場所も比較的正確に背景として処理されていることが分かる。AIファーストを掲げるGoogleだけに、AIによる処理能力はかなり高い。

まるで一眼レフで撮ったかのような、自然なボケ味

 AIによる処理を行うには、サンプルとなる大量のデータを学習させなければならない。そのため、たとえばiPhone XRでは、ポートレートモードが利用できる被写体は人物に限定されている。ところが、Pixel 3/3 XLは、料理を撮ったようなときでも、距離の関係を正確に捉えてボケを作ってくれた。

 以下は少々意地悪なシチュエーションとして、ポートレートモードが苦手な細いストローの刺さったグラスをあえて前に持ってきた作例だが、これもストローが背景に溶け込むことなく、きちんとグラスと等距離にあると認識されている。これだけ精度が高いと、ポートレートモードのためにデュアルカメラは本当に必要なのかと思ってしまうほどだ。

ポートレートモードで失敗しがちなストローまで、きちんと写せている

 2つないしは3つのカメラを搭載し、1つをズーム用にする端末もあるが、Pixelはこのズームもソフトウェア処理で解決している。実際に撮った写真を見てみると分かるが、4段階目ぐらいまでは、デジタルズームと分からないほど、ディテールまでクッキリと写っている。さすがにズームレンズを搭載した競合機と比較すると粗があることは分かるが、シングルカメラとしては十分なクオリティだ。

2段階目から5段階目までのズーム写真。デジタルズームだが、解像感を上げることで、望遠レンズを使ったかのような仕上がりに

 単にきれいな写真を撮れるだけでなく、PixelのカメラはGoogleレンズに直結しているのもおもしろいポイントだ。Googleレンズは写っているものを検索できる機能。名前の分からない植物を調べたり、友だちの履いているのと同じ靴を表示させたりと、言語不要で検索できるのが特徴だ。また、リアルタイムの翻訳にも対応している。

ミラーレスカメラを調べてみたが、型番まできっちり表示してくれた

 そこまで画像検索をするのかという疑問はあるものの、機能が別アプリとして完全に分かれているより、呼び出しはスムーズ。何か分からないものがあったときは、気軽に使えるのがうれしい。Googleレンズは他のAndroid端末にも対応していく予定だが、カメラのユーザーインターフェイスに組み込まれているのは、Pixelならではだ。

 また、ARを活かした機能として、「Playground」が搭載されている。要は実際の写真にARステッカーを重ねて撮影できる機能だが、ステッカーが写っている人物の動きなどを検知してアクションを起こしてくれるのはおもしろい。遊び心も満載なカメラといえるだろう。

PlaygroundでARステッカーを合成して撮った写真

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