■連載/石野純也のガチレビュー
Androidをさまざまなメーカーに提供するGoogleが自ら企画、設計したスマートフォンが、Pixelだ。その最新モデルである「Pixel 3」「Pixel 3 XL」が、ついに日本に上陸する。発売は11月1日を予定。Googleが自らSIMフリーモデルを販売するほか、ドコモとソフトバンクも、取り扱いキャリアとして名を連ねた。
Googleが自ら開発するだけあって、Pixel 3/3 XLの特徴は、ハードウェアというより、同社が得意とするAIやソフトウェアにある。Google自身が考える最高の体験をユーザーに届けるために、AIやソフトウェアをハードウェアと組み合わせているとも言い換えることができる。iPhoneのOSからハードウェアまでを一手に手がけるアップルに近い、垂直統合型のモノ作りによって生まれた端末なのだ。
AIやソフトウェアの力をいかんなく引き出すため、ハードウェアもハイエンドだ。どちらのモデルも有機ELディスプレイやSnapdragon 845を搭載しており、パフォーマンスは高い。2機種の違いは、ディスプレイの形状とサイズのみになる。日本に初上陸したPixelの実力とは。発売に先立ち、実機をレビューした。
Google製の「Pixel 3」(左)と「Pixel 3 XL」(右)
シンプルなハードウェア構成だがデザインにはオリジナリティも
Googleが送り出すフラッグシップモデルのPixel 3/3 XLだが、見た目は非常にシンプル。背面はガラス素材で、カメラも1つ。ディスプレイの左右が曲がっていたり、ステンレススチールを使ってフレームに光沢感を出したりといった手法は採用されていない。ガラスは2つに分かれており、上が光沢感のある仕上げ、下はソフトタッチでサラッとした肌触りの仕上げになっている。同様のデザインを採用した端末はほかに見当たらないため、Pixel 3/3 XLならではの特徴といえる。
ソフトタッチ処理を施した部分の面積が大きいためか、ガラスの持つ硬質感は一切ない。あえてガラスそのものの素材感を排したようなデザインだ。実際に触ってみても、言われなければ樹脂と思う人もいるだろう。ここは、好みの分かれるところだ。
色は同じだが、上は光沢仕上げ、下はマット仕上げと、質感でツートンにしている
このほか、背面には「G」のロゴと、指紋センサーが配置されているが、いずれもあまり目立たないような仕上げになっている。ロゴはグレーで、指紋センサーも背面ガラスの色に合わせてあり、シンプルなたたずまいだ。一方で、Pixelは最低価格でも9万5000円と、スマートフォンとしては高額な部類に入る。機能さえきちんとしていればデザインはシンプルな方がいいという人にはいいが、価格なりの高級感をもう少し演出してほしかったというのが率直な印象だ。
ちなみに、カラーはどちらも3色だが、Just Black以外のCleary WhiteとNot Pinkは、どちらも側面の電源キーに、柔らかい色がついている。Cleary Whiteはグリーン、Not Pinkはオレンジで、シンプルな外観のアクセントになっている。残念ながらJust Blackはボタンまで黒で統一されているが、こちらも黄色などのアクセントになる強い色をつけてもよかった気がした。
Just Black以外のカラーは、電源ボタンにカラーがついている