今、注目を集める、糖質オフ。血糖値コントロールや減量など、目的はさまざまだ。この糖質オフの食事を一日2~3食続けると、体感変化が起きるという。
特に味覚の変化は面白い。これから本格的に糖質オフ生活を始めたいという人は、ぜひモチベーションを上げるためにも、その味覚が変わるメリットを知っておきたい。そこで内科医に、なぜこのようなことが起きるのかを聞いてみた。
糖質オフ生活で「味覚」が変わる!?
糖質オフを続けていると、味覚の変化が起きるという。例えば、次のような変化だ。
・甘くない食べ物でも甘みが感じられるようになる
・甘いものが要らなくなる
・甘ったるいのが気持ち悪くなる
・濃い味付けが要らなくなる
この味覚の変化について、より詳しいことを知るために、内科医の水野 雅登先生に話を聞いた。
「1日3食とも糖質を控えるという糖質オフの食生活を送っていると、以前は甘く感じなかったものが甘く感じることがあります。特に『タンパク質の甘み』を感じる、というのはよくある変化です。豆腐、牛乳、肉などです。
私の経験では、牛乳は以前も甘く感じましたが、甘味料がたくさん入っているかのように『ものすごく甘い』と感じるようになりました。そのため、砂糖の入ったものは『甘すぎる』と感じます。甘すぎるため、今までの何分の1しか食べられなくなる、ということがよくあります」
味覚が変わるのはなぜか?体にどんな変化が起きているのか?
甘くないものも甘いと感じるようになるというのは、よく考えると不思議なものだ。では、なぜこのように味覚に変化が起きるのだろうか。
その味覚の変化の理由として、「舌の細胞の入れ替わり」にあるのではないかと予想してみた。実際のところ、どうなのだろうか?
「舌の細胞の入れ替わりには3週間かかる、という話があります。甘みに関して鋭くなるにはやはり日数がかかります。
しかし、逆に糖質、特に砂糖を再び摂取した場合に味覚が元に戻るのはすぐ起こります。これは糖質制限を続けられない人で起こることで、「元の味覚」に戻るのは一瞬です。まさに糖質を摂取した『その日』に戻ってしまいます。
このことから、味覚が戻るのには、舌の細胞の入れ替わりではなく、脳の受け取り方の関与が考えられます」
どうやら、舌の細胞ではなく、脳が関係しているようだ。それにしても、糖質オフの食生活は、脳の反応までも変えてしまうというのは驚きだ。