子ども世代も意識を変えよう
渡部さんは、「子ども世代も意識を変える」ことが大事と説く。まず、単刀直入に「捨てて」はNG。
「どうするかはあくまで親の意思に従い、迷ったときには一時保管箱を最大活用。安易に『捨てて』と強要したり、勝手に処分などしては、『もう二度とやらないよ!』と拒否反応を起こしてしまうことに」(ムック9pより)
渡部さんの提唱する基本的な考え方は、「親が安心・安全に暮らせればいい」。室内ががらりと変わるようなレベルでなく、例えば以下のチェックポイントを満たせば十分という気持ちでと、渡部さんは述べる。
子世代はチェックポイントを目指すことを念頭に(ムック9pより)
防災を理由に片づけを促す
また、実家の片づけを切り出すには、「防災を理由」にするのが最良の方法だという。昨今、台風に地震と自然災害が続くので、頑固な親でも説得に応じてくれる可能性は高い。
防災をからめた片づけのポイントは、「寝室には何も置かない」、「玄関以外の出入口を確保」などある。渡部さんは、寝室については「布団を敷くだけか、ベッドがあるだけの部屋が、本当はベスト」と説く。それが難しい場合は、「タンスや本棚が倒れかかってこないこと、モノが頭上から落ちてこない」よう最低限の処置をすべきとも。さらに、天井の照明はペンダントタイプのライトにする、窓ガラスに飛散防止フィルムを貼ることも、ムックですすめている。
親世代5タイプ別の声のかけ方がある
また、親の思考タイプを5種類に類型化し、各タイプに応じた声のかけ方で、片づける気に向かわせるテクニックもあるという。例えば、「現状維持バイアス~今のままでいいわタイプ~」。「自分はまだ若い」とか「今まで転んだことがない」といった理由をつけては、今の状態を変えずに済ませておきたい親がこれにあたる。この場合、「四十肩良くなったから今なら手伝えるよ」など、子どももいい年になっていることを、それとなく分からせるのが良いと渡部さんはアドバイスする。
親のタイプに応じた声のかけ方で片づけを促す(ムック21pより)