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昔買ったプレミアムウイスキーを自宅で発見!気になる価格は?

2018.10.13

「山崎50年」が香港のオークションにて、3250万円で落札

右肩下がりで人気が落ちていたウイスキーが近年、「ハイボール」や14年に放映されたNHKドラマ「マッサン」ブームで復権していること、またサントリーの「山崎」や「響」、ニッカの「竹鶴」や「余市」などが買いにくくなった(買えない?)ことは知っていた。しかしワイン党となった僕はウイスキーに戻ることはなく、たまにバーでシングルモルトの炭酸割りを飲む程度で、酒としてのウイスキーにはずっと関心がなかった。

 ところが今年1月、ネットニュースを見て驚天動地の思いをした。11年に限定150本100万円で売り出された「山崎」の50年もの、「山崎50年」が香港のオークションにて、3250万円で落札されたという。実はこのウイスキー、僕の友人が持っているのだ。ときどき「斎藤、まだ空けないから、何かの機会に飲もうぜ」などと言われ、それはちょっと楽しみくらいには思っていたが、心待ちしていたわけではない。ニュースを見るや「飲んじゃ駄目だ」と伝えるべく電話したところ、既にニュースを知っていた友人は買取業者に電話してみたという。「600万円」と言われたので、「その値段じゃ売らない」と答えると、「では700万円」と、「NO」のひと言で100万円上がったそうだ。とはいえ3250万円で落札されたウイスキーと同じ物を、その直後に700万円で売る人はまずいない。友人も売らずに、そのまま保管している。

「山崎50年」。

 買取業者もビジネスだから買値が売値より安いのは当然ながら、この原稿を書くにあたりいくらで売られているか検索してみると、1軒だけ2500万円で売っているネットショップがあった。ではヤフオクではと落札実績を見ると、開栓して8割残状態のものが、250万円、300万円、800万円と3回の落札実績、さらに空き瓶と箱が108万円で落札と、めくるめく世界が広がる。100万円で買ったウイスキーを飲み干して、その空き瓶と箱が買値より高く売れる!! ワインの値上がりなど、可愛いものに思えてきた。

 話を戻す。友人に電話した後、僕もウイスキーの限定品を買ったことを思い出した(逆に言えば、すっかり忘れていた)。ニッカの「余市 87」で、娘の誕生年を理由に購入したものだ。08年に限定1350本2万円で売り出され、正式名称は「シングルモルト余市1987 NON-CHILL FILTERED」。どこにしまったのかも全く覚えていなかったが、なんとか見つかった。

「シングルモルト余市1987 NON-CHILL FILTERED」。

 そしてもしや、これもプレミアム価格になっているのではとヤフオクを検索すると……。概ね30万円の落札実績がいくつもあり! 2万円で買ったものが約10年で15倍! 100万円が3250万円のスケール感には及ぶべくもないが、それでも凄いことだ。そしてそれから8ヶ月が経ち……。これが今回、この記事を書くきっかけになったのだが、思い立って久しぶりにヤフオクを見ると、なんと9月に50万円で落札されている。ついでに言うと空き瓶は3万円台で落札。いくらスポーツタイプのロレックスが値上がりするといっても、10年で25倍など到底ありえない。使っても減らないものと、飲んだら減ってなくなるものの違いだろうが、それにしても驚くばかり。ちなみにネットを検索しても、5大シャトーやロマネ・コンティ社と違って、「シングルモルト余市1987 NON-CHILL FILTERED」を売っているショップは出てこなかった。

 お金のことばかり書いてきたが、ワインには素人ながらのこだわりがあるので、ウイスキーの世界にもお金には替えられない深い愉悦があることはわかる。50万円払ってでも飲みたい人がいるウイスキーを2万円で手に入れているのだから、飲んでみれば新しい世界が見えるかもしれない。とはいえ50万円で売れるかもしれないと思うと、とても飲む気になれない。我が家の至宝たる超高級(になってしまった)ウイスキー、かくなる上は持ち続けていくらまで上がるか見届けよう。やがて老人ホームに入るに至ったら、強力な頭金になることを期待しつつ。

文/斎藤好一(元DIME編集長)

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