“Rent to own”はレンタルした後で買えるシステム
北米ではすでに一般的な“Rent to own”。これは、物品をレンタルし、気に入ったら購入して自分のものにできるというシステムだ。
例えば、リビングで数人が座れるソファが欲しいと思い、カタログから自分の好みにあいそうな一品を見つけたとする。買えば結構な金額だし、はたして末永く愛用するか確信が持てない……。そんなときは、このシステムを利用するとよいだろう。
最初は月額で所定のレンタル料を支払い、何か月かして「気に入らない」と思えば、その時点で返却できる。あるいは、「気に入った。ぜひ所有したい」と思えば、販売価格からそれまでに支払ったレンタル料を引いた額で購入できる。
海外ではRAC (Rent-A-Center)のように、家具ばかりではなく、生活家電、パソコン、スマホなど、多彩なジャンルの商品を扱う業者もあって、多くの人が利用している。
米国の“Rent to own”大手のRACサイトのトップページ
日本の“Rent to own”は家具が主流
日本でも“Rent to own”の仕組みを導入する企業が出ているが、取り扱い品目は家具が主流。例えば、ディノスの家具レンタルサービス「flect(フレクト)」は、申込時に通常販売価格の15%を支払い、以降は月々販売価格の3.5%の額が引き落とされる。24か月経つと、買ったのと同じ金額を払ったことになるが、さらに12か月無料で借り続けることが可能。そして、そのまま購入するのか、返却するのかを決められる。
レンタルといっても手元に届くのは完全な新品。そして返却時には日常的な痛み・汚れがあってもペナルティはないという点も魅力。近い将来引っ越しを考えている人や、家具を短期間に取り換えて模様替えしたい人には注目のサービスといえるだろう。
ディノスの家具レンタルサービス「flect」サイトのトップページ
「もらえるレンタル」は日本初の家電の“Rent to own”システム
これまで国内では、家具など一部の品目を除くと、「買うか、レンタルするか」の二者択一であった。「ひとまずレンタルして、あとで買うかどうか」を決められるサービスはなかったわけが、ここにきて家電の“Rent to own”=「もらえるレンタル」が登場して話題になっている。
レンティオ社の「もらえるレンタル」サイトのトップページ
本サービスを立ち上げたのは、主に家電のレンタルを手掛けるレンティオ。カメラ、掃除家電、AV機器、ベビーカーやドローンなど700品目を超える商品がレンタルできるウェブサービス「Rentio(レンティオ)」を展開している。
「もらえるレンタル」は、この「Rentio」のスピンオフ的な新サービスとして2018年9月にスタート。品目の第1弾は、「iRobot ブラーバジェット240」、「iRobot ルンバ960」、「SONY 学習マルチリモコンHUIS」の3つ。それからほどなく、第2弾としてFitbitのスマートウォッチ4機種が加わり、年内には第3弾も予定されているという。
「もらえるレンタル」の第1弾のラインナップ
本サービスの仕組みは、既存の“Rent to own”サービスを踏襲したシンプルなもの。毎月のレンタル料を支払いながら使用し、購入したければ買い、ストップしたければ返却する。12か月間レンタルし続けた場合、その商品の所有権を自動的に得る(つまり「もらえる」)。そして、貸出時・返送時ともに送料無料で、完全な新品が送られてくるといった点が利点と特徴だ。
初回利用時は、アカウント作成のためにメールアドレスなどを入力する手間はあるが、ページ遷移はミニマムに抑えられ、身分証明書のコピー提出といった煩わしさもなく、ストレスを感じさせない利用システムもポイントだ。