仮想通貨を活用した新しい資金調達「ICO」で一攫千金は可能か？

　実は、今年になってから顕著になっている傾向として、将来性があると考えられていたICOほど、公開後にコインの価格が下落することが多くなっているという。

　つまり、「期待が先行し、過大評価になっているケースが増えている」のだ。

　そこで、価格が下がったところを拾って値上がりを待つ、という投資方法が有力になってくるのだ。

　ただ、価格が底値になっているのか、まだまだ下落の途中にあるのかという判断は、プロの投資家でも難しい。

「比較的わかりやすいのは、値動きが乏しくなっている期間が長引いた後に、上昇を始めたタイミングで投資するというパターンでしょう」

　さらに、1つのコインに絞って資金を集中するのはやめるべきだという。

「マーケットの評価が高くても、ICOが順調にいくかどうかは基本的には未知数です。複数のコインに分散して投資をすることをおすすめします。それだけチャンスが広がるわけですから」

　公開後に、公開前の価格よりも安く買う。そして事業が軌道に乗れば、個人投資家にも十分、一攫千金を狙えるチャンスがあるのだ。

ICO投資を成功させるポイント

　ICOは、「ホワイトペーパー」と呼ばれる事業計画書が1枚あれば、企業としての実体がない状態でも資金調達ができてしまう。事業の運営者に悪意がなくても、プロジェクトが途中で中止になったりすれば、まず投資資金は戻ってはこないだろう。

　そこで、優良なICOを見つけるポイントとしては、すでに実績がある企業が行なっているかどうか、また、ベンチャーキャピタルが投資しているかどうか、などが重要になってくる。また、ICO企業のサイトは、英語表記のみであることも少なくないが、投資する前には必ず目を通してほしい。ICO関連のニュースサイトも多数あるので、最新の動向はそこでチェックできるだろう。

あっという間に数千万倍に！？お宝草コインを探せ！

　アルトコインの中でも、時価総額が小さいマイナーなコインは「草コイン」と呼ばれている。仮想通貨投資は基本的にハイリスク＆ハイリターンだが、草コインへの投資はもはやギャンブルに近いともいわれている。それゆえ、超ハイリターンを求めて、草コイン投資をする人も多くいる。そこで、草コイン投資家にお宝草コインの探し方を聞いた。

「運営元のサイトをチェックすることに加え、投資家の情報交換の場である〝コミュニティ〟のチェックが大事。海外では『テレグラム』、国内では『LINE@』といったSNSには、数多くの草コインのコミュニティーがある。気になるコインを見つけたら、コミュニティーで実際に投資している人の発言を聞くと、かなり参考になりますよ」

取材・文／松岡賢治