また、これはすべての新型Cクラスに言えることだが、高速走行での石のような直進性はもちろん、山道での意外なほどのスポーティーな操縦感覚、ライントレース性、絶大なる安定感はユーザーを満足させる大きなポイントである。
ところで、Cクラスステーションワゴンの後席は4:2:4分割。これはライバルの1台、ボルボV60(6:4)では採用されていない分割で、例えば愛犬をラゲッジルームに乗せるような時、キャビンの飼い主とアイコンタクト可能で、後席エアコン吹き出し口からの冷風も届きやすいメリットがある。ラゲッジルームの広さもなかなかだが、カーペットと樹脂面とのリバーシブルになっているマットも便利だ。
ちなみにセダン比較では、C180 アバンギャルドが489万円。C200アバンギャルドが552万円。その差は63万円にもなる。どちらを選んでも期待以上の性能、メルセデスベンツらしさを味わうことができるが、アクセルペダルを踏んでスッと前に出る軽快感(新鮮味と言ってもいい)で選ぶならC200、従来のメルセデス流儀の重厚な加速感がお望みならC180ということになりそうだ。
文/青山尚暉
モータージャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車専門誌の編集を経て、現在、モータージャーナリスト、愛犬との快適安心なカーライフを提案するドッグライフプロデューサーのふたつの肩書を持つ。小学館PETomorrowでも「わんこと行くクルマ旅」を連載中。最新刊に「愛犬と乗るクルマ」がある。