絶滅間近!? キックスタート
次に、今やほとんど見られなくなったキックスタート式です。(1)〜(5)までの手順はセルスタート式とまったく同じですが、(6)以降が違います。
(6)右足でキックペダルを踏み込む。
(7)エンジンがかからない。
(8)右足でキックペダルを踏み込む。
(9)エンジンがかからない。
(10)右足に疲れを感じつつキックペダルを踏み込む。
(11)エンジンがかからない。
(12)すべてに疑いを持ちながらキックペダルを踏み込む。
(13)無事にエンジンがかかる。
(14)猛烈な達成感とともに走り出す。
実際にはキックスタートには車種によって特有の方法やコツがあったり、デコンプレバーを使ったりしますし、もちろん、キック1発でかかる場合もあります。かつてのバイクはほとんどがキックスタート式だったので、今となっては昔を懐かしむ儀式といった意味合いも。レトロ感に加え、「オレはキック1発でエンジンをかけられる昔からのバイク乗りさ!」というささやかな優越感も味わえます。ちょっとした面倒を楽しみとする。これもバイク乗りの心意気と言えるでしょう。
実はもうひとつ、押しがけというエンジンのかけ方界の隠れキャラも存在するのですが、それは緊急時の方法なので、別の機会にご紹介します。
文/高橋 剛