急須でお茶を淹れる習慣は?
日本では接客・接待時に、急須でお茶を淹れる習慣があるが、ナイアンティック社をはじめとした米国企業でそうした「お茶を淹れてもてなす」考え方は存在するのだろうか。
「米国各社を回りましたが、急須でお茶を淹れて、お客様をもてなすような習慣をまだ見たことはありません。だからこそ、私たちは今後そのようなことにもチャレンジしていきたいと思っています。おいしさと健康性と共に、日本の文化や精神性を伝えることで、海外の方が何か少しでも、彼らの日常の生活をよくしてもらえたら嬉しいですね」
実際、角野氏はペットボトルのお茶を浸透させるだけでなく、日本のお茶の伝統そのものを普及させるための活動も行っているという。
ナイアンティック社では、お茶会を開き、急須を使って茶葉からお茶を入れたり、お茶の飲み比べ体験を行ったりしたほか、座禅で精神統一をするなど、お茶を通じて日本文化に触れられるプログラムを実施したそうだ。
米国各社では、ペットボトルの緑茶がワークコンディショニング飲料として愛されていることが分かった。
ナイアンティック社のインタビューの回答の温度感から、いわゆる日本のお茶文化についても浸透していきそうな勢いだ。
【取材協力・画像提供】
伊藤園 マーケティング本部・広告宣伝部
角野賢一氏
2001年株式会社伊藤園に入社、2005年に海外研修生として1年間NYに赴任。帰国後、国際部、経営企画部を経て、2009年より5年間サンフランシスコ、シリコンバレーにてお~いお茶の営業を担当。2014年に帰国し、マーケティング本部・広告宣伝部に配属。「世界のティーカンパニー」である伊藤園の社員として日々新しいお茶の広め方を模索し、活動している。
http://www.itoen.co.jp/
取材・文/石原亜香利