緑茶はワークコンディショニング飲料だった
角野氏によると、他の米国IT企業でも緑茶が大いに浸透しているという。
「ゲーム開発大手のUbisoft社に努めているJosh Milligan氏は、オフィスで朝から午後2時までに『お~いお茶』の500mlのペットボトルを毎日8本飲んでいると話していました。年間約 3,000本を消費していることになります。そのくらい生活にも仕事にも欠かせないアイテムになっているそうです。またベンチャーキャピタリストのRon Drabkin氏は投資家として色々なIT企業のオフィスに行きますが、Google社や Facebook社、Twitter社などでも『お~いお茶』が飲まれていることを実感しており、自身もリフレッシュなどの効果を感じていると話しています。シリコンバレーでは緑茶が一歩先行く“ワークコンディショニング飲料”として親しまれていることが取材で分かりました」
日本人と緑茶に対するとらえ方はどう違う?
シリコンバレーの最先端のIT技術者たちが、緑茶でコンディションを整えていたとは驚くばかり。角野氏によると、日本人とは緑茶に対するとらえ方が違うそうだ。
伊藤園が実施したアンケートによると、日本人がおいしさや健康性を理由に緑茶を飲むのに対して、ナイアンティック社の社員からは「頭がスッキリするから」「リフレッシュするのにいいから」といった意見があったのが印象的だったと角野氏。
「伝統的に緑茶のない国の人だからこそ緑茶に対する素直な感想が出てきたのではないかと思います」(角野氏)
確かに日本人はお茶を飲んで「頭がスッキリする」「リフレッシュできる」とは感じてはいても、それを飲む理由には挙げないように思える。
ミネラルウォーターとの関係
ところで健康志向でいうなら、ミネラルウォーターという選択肢もある。ナイアンティック社の社員はミネラルウォーターをどう捉えているのだろうか。
「ナイアンティック社の方々に限らずサンフランシスコ、シリコンバレー地域のITエンジニアは、食や健康に高い関心を持っている人が多いですので、緑茶にナチュラルなビタミンCが入っていたり、抗酸化作用があったりすることは知っています。そういった意味で水よりも健康的な飲み物であるという意識は持っていると思います」
また緑茶の風味についてもミネラルウォーターに勝ることがあるようだ。
「味としてもナイアンティック社の方々は、社内のフリーランチで、洋食から和食、中華など世界中のさまざまなメニューを食べ慣れていますので、水よりも“ナチュラルな風味のある”緑茶が料理に合うことも感じて飲んでいる方も多いと思います」