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話し方のプロが指南する「職場の人間関係がラクになる」5つの鉄則

2018.10.03

たかが人間関係と侮ることなかれ。職場での人間関係が悪くなると、なんてことのない仕事がうまくいかなかったり、ひどい場合には会社に行くのが憂鬱になりますよね。そこで「話し方」についての多数の著書を持つアナウンサーの高嶋秀武さんに「職場の人間関係がラクになる5つの鉄則」について話を伺った。

1.どんな場合でも返事をする

 相手に「嫌い」だというアピールをするのに、一番効果的なのが「無視をする」ということです。職場のいじめでも多く見受けられるのが、この「無視をする」ということではないでしょうか。

視線が合ったらはずす。声をかけられても返事をしない。大勢でしゃべっている時でも、あえてその人には話しを振らない。昼休みにメールで示し合わせて、何も言わずにその人だけを残して一斉にランチに行ってしまう……。こんなことをされたら、「嫌われたな」と相手も気づくでしょう。

 逆をいえば、多くの人に嫌われないために必要なことは、「誰のことも無視しない」ということになります。

 例えばラジオの仕事では、アナウンサーがのってしゃべっている時に、ディレクターから「そろそろまとめてください」という指示が入ってくる時があります。僕も時間の感覚は身についているので、そろそろ締めるつもりのだったところへ指示が入ると心の中では思わずむっとしたりします。

 しかし、どんな場合でもディレクターから指示が出たら、頭を下げるとか、指でOKマークを出すとか返事をします。「うるさいな」と思っても返事をする。
真面目に番組に取り組んでいるディレクターほど、些細なことで自信をなくしてしまうこともあります。だからこそ、お互い不信感を抱かないためにも、返事をするということを励行するのです。

 返事というのは、相手のことを認識したというサイン。相手は認識されたことで、安心感をもちます。この安心感が信頼感の基礎になるのです。

2.何のために言葉を発するのか、もう一度考えてみる

 言葉というのは、「こうしてほしい」と、こちらから相手に何かをしてもらうために使います。例えば、あなたが部下に残業を頼みたい、と思った場合のことを思い浮かべてください。

「悪いけど、今日、残業を頼みたいんだけど……」

「えーっ、なんで私なんですか? 明日じゃダメなんですか?」

 この言葉にカチン! と頭にきて、「仕事だろう!」と声を荒げたらすべてがぶちこわしです。残業を頼みたかったはずなのに、これでは何のために言葉を発したかわからなくなってしまいます。こんな時は、ひと呼吸置いて考えてみます。

「他の人にお願いしようとも思ったんだけど、資料をまとめる能力を考えるとやはりあなたにお願いするのが一番だと思って。たっての頼みということで、どうだろう、やってくれないかな?」

 自分の能力を買っていると言われて悪い気分になる人はいません。〈丸い卵も切り様で四角 物も言い様で角が立つ〉ではないですが、最後には仕事を引き受けてくれるか、それともますます態度を硬化させてしまうかの違いは、「えーっ、なんで私なんですか?」という相手の反応の後に発するあなたの言葉にかかっているのです。

3.言葉を出し惜しみしない

 日常生活の中のちょっとした言葉が人間関係を円滑にすることがあります。例えば仕事の最中に、隣りの部下から資料を借りたとします。必要な部分にさっさと目を通した後、急ぎの仕事をかたずけなくてはと思うあまり、何も言わずに資料を突き出したのでは貸した方もおもしろくありません。

 場合によっては「二度と資料は貸すまい」と思われてしまう場合もあるでしょう。やはり、ひと言でいいから「ありがとう」と言って返したほうがいいのは言うまでもありません。言葉を出し惜しみしてはいけないのです。

 さてその際にもポイントがあります。1つ目は「ただ活字的に言葉を発しない」こと。同じ「ありがとう」でも、無機的に、もっといえば無愛想に「ありがとう」と言ってはあまり意味がありません。「ありがとう!」と言葉に気持ちを込めなくてはせっかくの「ありがとう」が「ありがとう」にならないのです。

 2つ目は「動作と視線を連動させる」こと。例えば、顔は全然関係ない方を向いて手だけで「ほらっ!」とばかりに資料だけを返すのはよくありません。
 相手の顔を見ながら資料を返し、気持ちを込めて「ありがとう」といえば、人間関係はどんどん良好になるのです。

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