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アナログレコードファン必読!究極の「マト1」を求めUK盤とUS盤を聴き比べ

2018.09.30

奥が深いUK盤の「マト1」

 以上US盤だが、UK盤も奥が深い。複雑なので大雑把に書くと、ジャケット左上のロゴが青いものとオレンジのものがあり、前者は「ターコイズ」と呼ばれ、3000枚くらいしか存在しないとされる。「ターコイズ」の盤には無修正マト1と呼ばれるマトリクスが刻まれ、オレンジ系マト1には修正マト1と呼ばれるマトリクスが刻まれている。しかし無修正も修正も、音は同じという説が強い。僕がさる大手中古レコード店の店員氏に違いを尋ねた際も、「音は同じですよ。青いロゴに大金を払うようなものです」と説明された。市場価格は「ターコイズ」は20万円級、オレンジ系修正マト1は数万円ほどだ。

一目瞭然。左が「ターコイズ」。

無修正マト1。

修正マト1。数字588171の左から3番目の8を線で消して、その真上に新たに8が。8を消して8、というのも謎。

ファン必見!10月20日に注目のイベント開催

 だが、ツェッペリン命の僕は、「ターコイズ」を手に入れてしまった。購入価格は秘密ながら、20万円よりはかなり安く、ジャケット・盤ともにコンディションは良好だ。早速聴き比べたが、幸か不幸か巷の説とは違い、同じ音ではない。修正マト1には少しながらUS盤マト1方向の華やぎがあり、僕は修正マト1の音の方が好きだ。とはいえ、US盤逆相マトCの音の方がはるかに好みだが、いくら音がよくても逆相は如何なものかという議論もあるだろう。

 と、このようにマニアックに『Ⅰ』のマト1について書き綴ってきたが、講釈はわかってもどんな音かは聴かないことにはわかりようがない。そこでここからは、ご案内。2ヶ月に1回、僕のロックとオーディオの師匠・岩田由記夫さんと開催している、マト1を聴くイベント「レコードの達人」(10月20日(土)13時半~)で、レッド・ツェッペリン『Ⅰ』を聴き比べる。聴くレコードは、本稿でご紹介したUS盤UK盤、そしてCD、ジミー・ペイジ2014リマスターLP、日本盤マト1と多彩だ。

日本盤はジャケット裏面のキャプションが、ジミー・ペイジ以外3人とも間違えている。

USもUKもシングルジャケットなのに、日本盤は見開き仕様。

 会場は東京・大岡山のライブハウス「グッドストック トーキョー」なので大音量再生、しかも大型スピーカーは60~70年代の名器アルテックA4,アナログプレーヤーはLINNのフラッグシップ・LP12のKLIMAX仕様だ。滅多に聴けないオーディオ環境で、滅多に聴けない「ターコイズ」他を聴く類稀なるイベント。この記事に興味を持たれた方、是非ご来場を。

文/斎藤好一(元DIME編集長)

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