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アナログレコードファン必読!究極の「マト1」を求めUK盤とUS盤を聴き比べ

2018.09.30

マト1を聴き比べてみると

 僕がマト1にはまりだした2015年、『Ⅰ』のUS盤マト1をeBayで4枚落札した。PRを2枚、RIとMOを各1枚。PRは1枚がマトC/C(以下PR(1))、1枚がマトA/C(以下PR(2))なので、B面は同じマト=同じ音源となる(Aがマト1はわかるが、何故Cもマト1かという疑問がわくだろうが、極めて複雑な説明になるので、ここではとにかくどっちもマト1ということで納得して欲しい)。聴き比べるとPRの2枚は、RIやMOより音が鮮烈で音圧も高い。どれも落札価格は5000円前後なので、買うなら絶対PRをお薦めする。前述したアトランティックPR優位説は、僕が購入して聴いたレコードでは真実だったし、おそらく普遍的な真実だと思う。

 その録音の優良度はPR(1)を5とすると、PR(2)は3(もちろん、音源が同じB面は5)、RIとMOは2くらいという、歴然たる差がある。RIとMOはともに音圧が低く音の傾向も同じで、聴き比べても違いがわからない。PR(2)のA面はRIやMOよりはいい音だが、(1)に比べると相当落ちる。逆にいうと、PR(1)、つまりマトCの録音が凄すぎるのだ。しかも約50年前の盤なのに、静音部はもちろん、曲間の無音部にもほとんどノイズが入らない。録音がよく状態も極上、鬼に金棒の驚くべきレコードを偶然ながら約5000円で購入できた。

PR(1)のA面は、マトC。マト1の世界ではレコードに光を当てて、マトを読む。刻みが薄くて読み取れない盤も少なからずある。

PR(2)のA面は、マトA。

 さてB面1曲目「時は来たりて」を聴き比べると、さらに驚くべきことに気づいた。左から入るハモンドオルガンのイントロに続き、ドラムが入り、右から清冽と表現したいアコースティックギターが聞こえてくる。PR(1)と(2)はこうなのに、RIとMOでは逆、右からオルガンが入りアコギは左から聞こえてくるのだ。あまりにびっくりして、即刻どちらが正しいのかを検証すべく、UK盤マト1、およびジミー・ペイジ2014リマスター盤を聴く。するとUKもリマスターも、オルガンは右、アコギは左から出てくる。もしかして、音が抜群のPR工場マトCは、左右逆……!? ではA面はと、1曲目「グッドタイムス・バッドタイムス」を聴くと、曲頭“ダンダン”のドラム後方から入ってくる”タカタカ”(カウベル)も、UK、リマスター、RI、MO、PR(2)(マトA)は右から、PR(1)(マトC)のみ左から出てくる。やはりPR工場生産のマトC は、左右チャンネル逆で録音されているのだ。なんたることか!

 レーベル外側に刻まれたカッティング・エンジニアのクレジットが見ると、マトAはRGでRob Grenell、マトCはGPでGeorge Pirosと別人だ。マトAとマトCの音にここまで差があると、ジミー・ペイジがマトAの音に(Bにも?)納得がいかず、ジョージ・ピロスに頼んでマトCを作ったと想像できないだろうか。マト1が存在せずマト2から始まるピンク・フロイド『狂気』のように、本来ならマトAとBは没となり、マトCこそがジミー・ペイジ納得の初版となったのでは? なのにそのマトCの左右チャンネル逆に、ジミー・ペイジも気づかなかった??? いやはやなんとも、アメイジング・ワールドである。

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