■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ
大きなボディーに小ぶりなキャビンが特徴的なメルセデス・ベンツの4ドアセダン「CLS」が3代目にフルモデルチェンジした。メルセデス・ベンツとして日本初導入となる4気筒2.2Lのディーゼルエンジンを搭載する「CLS 220d」で東京から箱根を往復したが、渋滞中の一般道や高速道路、箱根のワインディングロードなど、文句の付けようがなかった。
新たに搭載されたディーゼルエンジンも、ガソリンエンジンとは違ったノイズがかすかに聞こえてくるものの、振動は皆無なのに驚かされた。そのノイズも、高速巡航ではロードノイズに掻き消され、まったく気にならなくなる。
機械として優れているか? ★★★★★ 5.0(★5つが満点)
ここのところ、ディーゼルエンジンは各社それぞれ搭載してきているが、この「220d」のそれは最も洗練されていると感じた。走行中の乗り心地も、まるで路面から浮いているかのように快適だ。路面からのショックや振動などがほとんどすべてサスペンションで吸収され、乗っている者には伝わってこない。
極めて多岐にわたる豊富な機能も階層の中から呼び出しやすく、かつ操作しやすい。アンビエントライトで車内の照明を何十通りにも変えられたり、いくつものフレグランスによって香りさえ楽しむことができるのだ。
運転支援のための各機能も同様だ。ウインカーを出した方向にレーンチェンジをアシストしてくれる機能も近未来を示唆するもので、他よりも一歩先んじている。およそ、現時点で想定されうるあらゆる機能が装備され、それらが確実に快適で安楽かつ安全な運転に貢献している。現時点で、最も先進的なクルマの一台だと高く評価することができる。