毎年訪れるiPhone買い換えシーズン。しかし、今年の新iPhoneの値段は例年に増して高い。コストを重視するのであれば、あえてこのタイミングではiPhoneを買い換えず、月額コストの安い格安SIM(MVNO)への乗り換えを検討してみてはいかがだろうか。
月額1000〜3000円ほど通信量がお得になるケースも
格安SIMのメリットは、なんといっても月額料金が大手キャリアより安いことだ。ケースバイケースではあるが、おおざっぱに言えば月額1000〜3000円くらい安くなる。一方で対面サポートを受けにくかったり、いろいろな手続きを自分でやる必要があったりするが、ガイドやオンラインサポートもそれなりに充実しているので、ある程度の知識があれば問題ない難易度だ。
ここではiPhoneで使う通信回線を、大手通信事業者から格安SIM事業者へと移行する方法やその際の注意点を解説する。
MNPを使えば電話番号が変わらない
格安SIMへの乗り換えでは、「MNP(モバイルナンバーポータビリティの略)」という制度を使うことで、同じ電話番号を格安SIMでも利用できる。ただし、携帯電話会社のメールアドレス(○△□@docomo.ne.jpなど)は利用できなくなるので注意が必要だ。
格安SIMで使うiPhoneをどうするかというと、ほとんどの場合、いま使っているiPhoneでかまわない。iPhone 6s以降のiPhoneならそのまま格安SIMに流用可能で、それ以前のiPhoneも条件次第では利用可能だ。詳細は別記事にて解説するので、MNPをする前に準備をしておこう。
MNPは転出元の携帯電話会社から「MNP予約番号」というものを取得し、乗り換え先の格安SIMサービス会社で新規契約する際、MNP転入手続きをすることで完了する。MNP転入時、先に取得したMNP予約番号を伝えることで、電話番号が移行し、転出元の回線が解約になるという仕組みだ。
MNPの引き止めを受けると得? 損?
MNP予約番号は、転出元の携帯電話会社のサポートダイヤルかショップの窓口で取得する。安い料金プランの提案やポイント付与などで引き止めをされることがあるので、あらかじめMNPでどのくらい安くなるか計算しておくと、引き止めがトクかどうかをすぐに判断し、断わりやすくなる。また、MNP予約番号には利用期限があるので、格安SIM事業者の下調べをしてスムーズに手続きできる体勢を整えてから、MNP予約番号を取得するようにしよう。なお、NTTドコモだけはサポートサイト「My docomo」でもMNP予約番号を取得できる。
MNPするときに注意が必要なのは、そのタイミングだ。ほとんどの人は、2年縛りを契約していると思う。2年縛りは簡単に言うと、「○年×月からの2年間、利用し続けてもらえれば割引しますよ」という期間拘束の契約だ。割引額が大きく、自動更新されるので、ほとんどの人は意識することなく、2年縛りを契約しっぱなしになっているかと思う。
2年縛り期間中に解約(MNPも含む)すると、約1万円の契約解除料が必要になるが、2年おきに2ヶ月間だけある「更新期間」であれば、無料で解約できる。MNPするなら更新期間中の方が安上がりだが、かといって更新期間中にしかMNPできないわけではない。
たとえばMNPによって月々のコストが1500円安くなる計算ができていて、更新期間が1年後というタイミングなら、契約解除料を支払ってMNPした方がトータルコストは安くなる。逆に半年以内とかのタイミングであれば、ちょっと我慢して更新期間まで待った方が安くなるかも、ということになる。