今回初めて実践した“基本的な事”
ところで船釣りを始めて約30年、何百回船に乗ったかわからないが、今回初めて実践した“基本的な事”がある。キスのような小物を除き、ほとんどの船釣りでは竿を船縁に固定するための道具、ロッドキーパーが必須だ。船縁の仕様は船によってまちまちだが、なんであれ原則、添え木(直方体の木片)を利用し、締め付けボルトでロッドキーパーを船縁上に固定する。その際、僕はずっと添え木を船縁の裏側にあてていた。裏側だからボルト先端のパーツをバランスよく添え木にあてないと、添え木が落下してしまう。船縁の仕様によっては、何度も試行錯誤してやっと固定できることもある。船縁の上に添え木を置けば落下しようがなく固定しやすいし、実際にそうする人も少なくない。だがどうも見た目が美しくないし、置き竿にするとより高い位置に竿があり好ましくないと僕は思い、ずっと裏側派だった。
ミニラークはボルト先端のパーツの上に正方形のゴム板をのせて添え木にあてる構造なので、ゴム板も落下することがあり使いにくい。ただし船の手すりパイプにも取り付けられるというメリットがある(この場合はゴム板は使用しない)。
今回、取り付けに悪戦苦闘する僕を見かねた船長から、「添え木は船縁の上だよ」とアドバイスが飛んだ。経験上、最終的にはなんとかなったはずだが、アドバイスに従い添え木を船縁の上に置くと、なんと簡単に固定できることか。当たり前だが、まさに目から鱗。ロッドキーパー周りは下の画像の通りで、美しくないと思うかどうかは人それぞれだが、釣りのしやすさそのものは変わらなかった。今後は、添え木は上にと決める。今さらこんなことに開眼するなんて、我ながらお馬鹿だとちょっと自省した(注:添え木を裏側につけないとロッドキーパーを固定できない仕様の船縁もある)。