東武鉄道(以下、東武)の開業とともに、歴史を刻んだ春日部駅が大きく変わろうとしている。東武、埼玉県、春日部市の3者共同で、春日部駅とその付近の連続立体交差事業に取り組むのだ。これにより、伊勢崎線は約1.4キロ、野田線は約1.5キロにおいて高架化される。
伊勢崎線と野田線がまじわる伊 第124号踏切道
資料によると、春日部駅の北側に設置された伊 第124号踏切道は、ピーク時の1時間あたり56分も遮断する「開かずの踏切」と化しているほか、自動車、歩行者、自転車が錯綜し、非常に危険な状況だという。交差する県道2号線さいたま春日部線は、国道4・16号線へアクセスするほか、大宮駅方面へ向かうことができる“重要なパイプ役”といえよう。
一方、南側に架かる内谷陸橋は交通量が多く、慢性的な渋滞に悩まされているという。鉄道と自動車の立体交差が内谷陸橋のみでは、心許ないようだ。
歩行者と自転車は春日部駅付近の富士見町地下道を使う人が多い。しかし、幅員が約3メートルと狭く、バリアフリー化されていないため、障害者やベビーカーを押す方に支障をきたしているという(車椅子の通行は難しい状況)。そして、除去予定踏切10か所のうち、7か所が通学路に指定されており、踏切付近では交通事故が度々発生したそうだ。
キャッチコピーは「かわろう、すいすい、かいてき、べんりなまち」。
上記の課題を解消し、利便性の向上を図るため、春日部市と春日部駅付近連続立体交差事業促進期成同盟会では、かねてより春日部駅及び付近の高架化を描いていた。駅や周辺の看板、市役所の横断幕などで市民などに協力や理解を求めてゆく。そして、2005年度に埼玉県の新規事業として採択され、現在、一部道路の改良工事などを含めた都市計画決定に向け検討を進めている。
東武によると、春日部駅の高架化を検討する際、線路両側まで住宅街が広がっているので、影響を極力小さくすることを心掛けたという。