刑事の健康管理事情
続いて、ビジネスパーソンが気になる刑事の健康管理術を聞いてみた。
刑事の仕事は基本、24時間体制。捜査上、必要であればやむを得ないことだ。しかし一般的なビジネスパーソンからすれば生活が不規則でなかなかハード。生活マネジメントはどのようにしていたのか。
「長年続けていると自然と体が慣れてくるものです。ですから各人がそれぞれのやり方で調整していると思います。とにかく何か事案があれば一時的にせよ、食事、睡眠もとれないことが多くなります。ですからたまの休みの日はゆっくり休息をとっている人も多かったと思います」
●刑事の健康管理術
不規則な生活、張り詰めた緊張感などに、日常的にさらされる中で、森氏はどんな健康管理をしていたのか?
「特別な健康管理法はないのですが、とにかく体が資本の職業ですので、体を鍛えたり、運動したりする人は多いと思います。私も暇を見てスポーツクラブに通っていました。またストレスがたまらないように余暇で映画を観たり、家族と買い物に行ったり、気分転換を図り、いざというときに集中して仕事に入れるようにしていました。」
●刑事の体力作り
刑事は、警察官ほどは現場に出ないイメージだが、もしものときに備えて、肉体を鍛えているのか?
「柔剣道をやる刑事も多いので、日頃、警察署の道場で鍛錬している者は多かったと思います。また、年一回、警察内部の柔剣道大会があり、それに向けて練習して出場する者も多かったですね。柔剣道大会で刑事部の所属が上位の成績になるのは常識でした。やはり刑事には猛者が多いということでしょうか」
刑事は柔剣道に長けていることが分かった。本来、刑事はハードな生活に耐え得るの肉体と根性を持っているのかもしれない。
【取材協力】
森 透匡(もり ゆきまさ)氏
刑事塾 塾長
経営者の「人の悩み」解決コンサルタント(人事コンサルタント)
株式会社クリアウッド 代表取締役
警察の元警部。詐欺、横領、贈収賄事件等を扱う知能・経済犯担当の刑事を約20年経験。 東日本大震災を契機に独立し、刑事時代に現場で培ったコミュニケーションスキルをビジネスで役立ててもらうために「刑事塾」という学びの場を開講。「ウソや人間心理の見抜き方」を主なテーマに大手企業、経営者団体など毎年全国180か所以上で講演・セミナー・企業研修を行い、これまで5万人以上が聴講、「究極の心理学だ!」「おもしろい!」と人気を博している。テレビ朝日「モーニングバード」、フジテレビ「ノンストップ」、読売新聞、日経新聞などメディアへの出演、掲載も多数。著書に「元刑事が教えるウソと心理の見抜き方(明日香出版社)」がある。
http://clearwoods.co.jp/
取材・文/石原亜香利