サーキットでバイク撮影
続いて、午後は実際にサーキットに出て疾走するバイクを撮影。僕は望遠レンズでの動きモノ撮影はあまり経験したことがなく、最初はかなり慌てふためきました。午前中に習ったことを活かして撮ろうとするのですが、なんせファインダー内に動くバイクをおさめ続けるのが難しい。露出やら、背景やらと考えなければならないことは山とあるのですが、コントロールが追い付かない感がハンパではありません。
ただ、ありがたいことに今はデジタルで何枚でも撮れるので、しつこくチャレンジすれば、被写体が枠内におさまり、ピントもそれなりにきている写真がいくらかは撮れます。これがフィルムだったらと思うとゾッとしますが、おそらく皆さんも動体撮影の際はデジタルカメラで撮られるかと思うので、失敗写真を山のように積み上げて、ひたすら数を撮ってみると良いでしょう。個人的には、色んなパターンの写真を撮ろうとするよりも、『このコーナーから出てくるときにめっちゃバイクが傾いている感じをカッコ良く撮ろう』というように自分の中で的を絞って、そのカットをしつこく狙っていく方が成功の確率が上がるように思います。
撮影パートでも、写真家の先生に色々とアドバイスがもらえます。アドバイスの内容等は、動画でのイベントレポートがありますので、そちらでチェックしてください。
直接教わる機会は貴重
写真を趣味で楽しんでいる方でも、レンズ体験会やワークショップなどに参加したことがあるという人は、決して多くはないと思います。確かに、写真なんかは好きに撮って楽しみたいものだし、いまどき情報はネットにいくらでも転がっています。
ただ、やっぱり写真のプロに直接もらうアドバイス、あるいはプロが撮影する姿を近くで見られるというのは、なかなかネットや本などの情報だけでは得難い価値があるものです。
カメラメーカー、レンズメーカー等が主催するワークショップやイベントは、いろいろな場所で多数開催されているので、各社のホームページをこまめにチェックするなどして、積極的に参加してみると良いでしょう。そこで知り合った人たちが、写真仲間になることもあるかも知れません。
望遠レンズで広がる写真の世界
サイズの大きいレンズが多く、プロっぽさが強すぎて敬遠されがちな望遠レンズですが、70mmスタートくらいの望遠であれば標準レンズの延長線上の感覚で扱うことができ、日常のスナップでも活躍するので、最初の望遠レンズとして70mmスタートのレンズはオススメです。今回70-210mmのレンズを借りて、そう感じました。
また、標準域のレンズをすでに持っているのなら、いっそ600mmくらいまでの完全な望遠レンズを入手するのも手かも知れません。標準レンズとはまったく違う感覚の扱いになるので、望遠レンズの醍醐味をより強く感じることができるでしょう。
いずれにせよ望遠レンズを1本、ぜひ手にしてみてください。きっと新たな世界が広がるはずです。
取材協力:株式会社タムロン
https://www.tamron.co.jp/
取材・文/太田史郎(おおた・ふみお)
フリー編集&ライター。最新モノ情報はもちろん、スポーツ、音楽&ダンス事情にも詳しい。