スマホとSNSはコミュニケーションを一変させたが、そのトレンドがビジネスにも浸透しつつある。電話とメールから「ビジネスチャット」へ。これからのビジネスに必須となる新しいツールをまとめてご紹介します!
チームの生産性UPにはツールの変革も不可欠
スマホの普及で私たちのコミュニケーションは電話やメールからSNSへと変化した。ビジネスでも1対1だけでなく、1対n(複数)、n対nといったグループのやりとりを効率よく行なう必要性に迫られており、メールベースでの仕事に限界が見えてきている。
そんな中「ビジネスチャット」と呼ばれるツールの存在感が増している。これはチャットからファイル交換、ビデオ通話、プロジェクト管理なども行なえるツールであり、日々進化を続けている。元マイクロソフト役員で、働き方改革に詳しい越川慎司氏は、ビジネスチャットで生産性が向上すると指摘する。
「ビジネスチャットは〝お疲れ様です〟などの挨拶や、〝□□部の○○です〟など自己紹介が不要で、用件だけを伝えれば済む。スマホからでも気軽に使えるので、コミュニケーションがスピーディーになり、生産性向上に寄与します」
今、世界的に勢いがあるのは『Slack』。昨年11月に日本語版がリリースされ、急速に認知度が高まっている。同社では、その導入効果として「生産性が32%向上」「メールが半減」などを挙げていて、JT、セブン銀行、パナソニックなども採用している。
このほかコミュニケーションの質的な面でも好影響がある。
「今、個人よりもグループの生産性が重視されます。ビジネスチャットを導入することで、単なる連絡はもちろんクリエイティブなアイデア交換など協働も活発になるはずです」(前出・越川氏)
■ビジネスチャット導入で働き方はどう変わった?
平均だと32%だが、80%以上が58社、100%以上が33社もある。Slack Japanの担当者は「生産性が高まったという声は、平均値よりも多い印象」と話す。
『Slack』を導入した1629社中、社内メールが「60~80%減った」は296社、「80~100%減った」は329社。ここからいかに社内メールの数が多く、時間を取られているかが見えてくる。ビデオチャット併用にすれば、会議の数はもっと減る!?
クロスリバー代表 越川慎司氏
マイクロソフトにてOfficeビジネスの責任者を務め、2017年に起業。本誌にて『ショートカット仕事術』も連載中。
取材・文/橋本 保