2018年6月9日、東海道新幹線の東京駅21時23分発、新大阪行きの「のぞみ」最終列車車内で男がナタを振りかざし、隣に座った女性を襲った。異変に気がついた男性が止めに入ったが、逆に被害にあって死亡し、女性2名が重傷を負うという事件が発生した。
16両の1編成で定員1323人が乗り合う新幹線。一度走り出してしまえば、次の停車駅までは密室だ。そんな車内で凶悪な事件が起きれば、乗車区たちは逃場を失ってしまう。そこで、先の事件をきっかけに議論され始めたのが、新幹線でのセキュリティ対策だ。
列車内に搭載されるようになった防護装備品
基本的に走る列車の中で何事かが起これば、乗務員と乗客が協力して対応するしかない。そんな自体を想定して、JR東海は、去る2018年8月21日に同社の三島車両所で「不測の事態対応訓練」を実施し、同時に列車内に搭載されるようになった防護装備品の展示と、静岡県警鉄道警察隊による使用方法をマスコミに公開した。
新幹線に搭載される防護装備品は、「防護盾(乗務員用・警備員用)」に「耐刃ベスト」、「耐刃手袋」、「刺股(警備員用)」、そして「防犯スプレー」だ。