「子どもは親の背中を見て育つ」という言葉があるが、どうやら本当らしい。
マサチューセッツ工科大学の研究チームが行った実験によると「子供たちに一生懸命な姿を見せることで、子供たち自身も物事に一所懸命に取り組むようになる可能性がある」という。
親の影響が大きいという実験結果が出ているが、「キャリア観」には影響するのだろうか。今回は「アイデム人と仕事研究所」で行なった『子供のキャリア観に関する調査』の結果を紹介しよう。
子供は親の背中を見て育つ?
調査対象は小学校5年生または6年生の子供とその親(1308名)。
まず、調査対象である小学校5年生、6年生に「将来なりたい職業はあるか」を聞いたところ、「ある」と回答した子供は48.6%、「ない」は35.5%という結果に。
なりたい職業があると回答した子供に、その職業に将来成りたいと思う理由を尋ねると、「好きなことだから」53.9%で最も多い。次に「かっこいい、かわいいから」30.8%、「社会や人の役に立ちたいから」20.3%と続く。
「親がしているから」と回答した子供は、わずかに4.1%となっていて、親の仕事を真似る、同じことをしたいと思う子供は少ないようだ。
「ある」と回答した子供は59.3%と約6割。
多くの子供は、親の職業が何かを知っていて、見たことがあるにもかかわらず、親と同じ職業に就こうと考える子供は少ないといった結果が出ている。
しかし、少し視点をずらして調査結果を見てみると、「親の背中が何なのか?」が見えてくる。
そして、親の働く姿を見たことが「ある」と回答した子供が、なりたい職業が「ある」と回答した割合は53.2%。見たことが「ない」と回答した子供の割合は42.0%となり、見たことが「ある」子供が10ポイント以上、上回る結果に。
同調査ではさらに、「働いている親を見てどのように感じているか」も聞いている。あんな大人になりたい(なりたい+どちらかと言えばなりたい)と回答した子供の割合は、父親の場合では47.2%、母親の場合では48.8%と父母とも約半数。