「目の下のクマ」、その種類と原因の違いは?
「目の下のクマ」は、おおよそ「青グマ」「茶グマ」「黒グマ」の3つに分類されます。「青グマ」は眼精疲労や体全体の冷えなどに由来する目の周りの血行不良で引き起こされます。目の周りの皮膚はかなり薄くて、厚さは0.5mmくらい。たとえば背中の皮膚などとくらべると 1/4、1/5 くらいの厚みしかないんです。目の周りは栄養や酸素を送る血管が豊富にあるので、血流が滞ると青く見えてしまいやすくなるんです。
「茶グマ」は色素沈着が原因です。お化粧を落とす時にこすりすぎてメラニン色素が沈着してしまったり、アトピー性皮膚炎で掻いてしまったりして、そのまま沈着になってしまうという患者さんもいらっしゃいます。「黒グマ」はちょっと年齢が上の人に多いですね。年齢を経て目の周りの筋肉が衰えると、目の下の膨らみにある脂肪が飛び出て来て、眼の下にひずみが出来て、陰影になる。それが「黒グマ」の原因になります。実際に皮膚が黒くなっているわけではないんですよ。「黒グマ」を治すには、たるみの引き締めが必要です。
「青グマ」悩みが多いデジタルネイティブ世代、生活習慣の乱れやスマホの見過ぎには要注意!
年齢層は20~30代の方が多いですね。色白で、もともと貧血を起こしがちな人。あとは皮膚がもともと薄い方も、「青グマ」が目立ちやすいので、悩まれている方が多いです。昔と比べると、クマの分類もよく知られるようになったので、ネットで情報収集されるような若い患者さんの数は増えている気がします。
特にブルーライトを浴びている若い女性には、「青グマ」が多いように思います。最近はブルーライトが使用されている物が多くて、スマホ、パソコンもそうですし、LEDもそうですよね。ブルーライトを通すと画像がぼやけるので、画像を見る時に瞳がオートフォーカスを合わせるようにピントを調節することになります。すると、眼精疲労を引き起こしたり、血流が悪くなったりしてしまいがちです。また、まばたきも減ってドライアイになりがちなので、目の周りの筋肉が凝り固まって血行が悪くなり「青グマ」になりやすい傾向にあります。
また、若い方は夜、ついついスマホをいじりがちですよね。ブルーライトは太陽光に含まれる光の一種なので、夜にスマホをいじると体が昼間だと勘違いしてしまうことがあります。就寝の3時間前からメラトニンというホルモンが出るのですが、ブルーライトを見ていると太陽光と勘違いして睡眠時間のバランスが取れなくなってしまいます。スマホを1時間いじったら15分休むのが理想。あるいは、ブルーライト対策のグッズを使った方がよいですね。本当の理想は就寝3時間くらい前から、スマホをいじらないようにすることです。
また、現代の方は忙しい人が多いので、生活習慣が乱れがち。睡眠時間の長さや、ホルモンバランスが乱れると血行が乱れてしまいます。睡眠・食事・運動習慣はしっかり整えておきたいですね。
土屋 佳奈(つちや かな)
皮膚科医。東京医科大学卒業。東京女子医科大学で研修後、皮膚科学教室に入局。東京女子医大病院、JR東京総合病院勤務を経て、都内の美容クリニック、皮膚科クリニックに勤務。現在は、つちやファミリークリニック副院長として、皮膚科診療を行う。
<調査概要>
・調査対象:20~40代女性600名
※5歳刻みに均等割付(20-24歳:100名、25-29歳:100名、30-34歳:100名、35-39歳:100名、40-44歳:100名、45-49歳:100名)
・調査期間:2018年7月30日(月)~2018年8月3日(金)
・調査方法:インターネット調査
出典元:カネボウ化粧品
構成/こじへい