デジタルネイティブ世代のアーチストのアナログ盤が面白い
ところで最近はCD時代どころか、ネット配信時代に登場したアーチストがアナログ盤を発表することがある。たとえばアメリカのハードロックバンド、グレタ・ヴァン・フリート(GRETA VAN FLEET)、2017年にデビューした平均年齢約20歳のバンドだ。
ボーカルのジョシュ・キスカは、巷間“ロバート・プラントの孫”と呼ばれるほど若き日のロバート・プラントに似た声で、僕のようなツェッペリン命おじさんにはグサリと突き刺さる。このバンドの存在を知るや早速HMVで調べたところ、4曲入りにデビュー作『Black Smoke Rising」』は12インチアナログ盤も出ていたので購入した。今現在もHMVで税込2905円、お取り寄せで販売されているが、生産枚数が少ないことは間違いない。ツェッペリン党なら、バンドが大化けしてアナログ盤が高騰する前に買うことをお薦めする。
グレタ・ヴァン・フリート『Black Smoke Rising」』。
イーグルスやサンタナの定価がいくらだったかは知らないが、2枚組とはいえせいぜい5000円だろう。アナログ盤の世界、出遅れると大変な出費を強いられるが、先んじるとよもやの利益、いや売らないから利益は出ないが、精神的な満足感を得られるものだ。
余談ながら、このグレタ・ヴァン・フリートが8月の「SUMMER SONIC」に出演するとは知ったものの、さすがに61歳にしてそれだけのためにサマソニに行く気にはならなかった(一昨年はロバート・プラントが出演し、それだけのために行った)。
ところが僕にとっては幸運なことに、バンドの都合で来日中止、単独公演の可能性があるという。61歳(いや、62歳になっているかも)のおじさんが平均年齢20歳バンドに熱狂する姿、あまり見られたくないが、来日したら間違いなく行ってしまうだろうな。
文/斎藤好一(元DIME編集長)