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デジタル全盛の今だからこそアナログレコード選びが面白い!

2018.08.26

 僕がよく足を運ぶ中古レコード店大手、ディスクユニオンの新宿ロックレコードストアでは、時々「高音質/近年盤レコードセール」なるものが開催される。はて、高音質/近年盤とは何か? 厳密な定義はないと思うが、僕は60年代・70年代の名作アナログ盤がリマスターされ、再発されたものが高音質盤だと解釈している。具体例としてわかりやすいのは、ジミー・ペイジがリマスターして2014年から順次発売した、レッド・ツェッペリンのアルバムだろう。

また70年代に設立されたアメリカの高音質盤復刻レコード会社、モービル・フィデリティは数多くのロックやジャズの名作をリマスターし、アナログ盤とSACDを数量限定で発売している。さらにアメリカには名作のリマスターアナログ盤を制作・発売している会社がいくつかあり、日本でもHMVやタワーレコードのサイトで気軽に購入できる。

軽量盤のマト1にも掘り出し物が!

 その多くは、180g重量盤を魅力の一つとして掲げている。往年のアナログ盤よりもかなり重いので、レコードとターンテーブルの密着度が高くなり盤の振動を抑えられる。よってレコード針がより効率よく溝をトレースし、音がよくなるという理屈のようだ。だが僕は、180gだからいい音とは思わない。薄くペラペラな“軽量盤”マト1(マト1についてはこちらを参照)が、恐ろしく音がいいということが少なからずあるからだ。

たとえばイギリスのプログレシッブロックバンド、U.K.のデビュー作『U.K.』。重さは約114gと軽量ながら、すこぶるいい音だ。ちなみにぼくがごく普通の重さと感じる、レッド・ツェッペリンの『Ⅱ』とピンク・フロイドの『狂気』(ともにイギリス盤のマト1)は、順に133g、140gだ。重量盤はレコードの反り防止にはなろうが、音のクオリティーへの効果はあっても些少だと思う。

U.K.『U.K.』。

説得力のある“ブランド”ではない、高音質盤の音にがっかりすることも

 重量よりも、高音質盤と呼ぶ根拠はリマスターにあるのだろう。しかし60年代・70年代ロックの音源はアナログテープなので経年劣化が進み、そもそもリマスターをしないことには商品としては成り立たないのでは。そしてリマスターの腕前によって、音がスカスカの“高音質盤”だったり文字通りの高音質盤だったりする、というのが実情ではないだろうか。

僕の経験では、ジミー・ペイジやモービル・フィデリティのような、説得力のある“ブランド”ではない“高音質盤”の音には、えてしてがっかりする。昨今のアナログ・ブームであの時代の名作が次々に再発されているが、CDよりアナログの音が好きだという理由ならともかく、アナログのいい音で聴きたいなら僕の私見を頭片隅に置いておいて欲しい。

 一方の近年盤だが、大辞泉によると近年とは「最近の数年間。ここ数年。」という意味だ。ならば今年が2018年だから多少幅を持たせても、2010年以降に発売された盤が近年盤となる。よって2000年代までに発売されたモービル・フィデリティは高音質盤、ツェッペリンは高音質盤にして近年盤とするのが妥当だ。

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