よかった、VWシロッコのGTXは119万円だった……
ボルボ、ベンツのプライスにショックを隠せない自分に一服の安らぎをあたえてくれたのが、フォルクスワーゲンのシロッコだった。
ジウジアーロのカクカクしたデザインが大好物の筆者は、初代の丸目4灯が好きだけれど、角目もまあ、許そう(偉そうに……)。2ドアクーペスタイルはやはりかっこいい。
この88年式GTX-16VはゴルフGTI-16V同様、DOHC16バルブエンジンが搭載された特別な1台。今やDOHCも16バルブも大した技術じゃなくなったけれど、当時は「えばれるエンジン」だったのが懐かしい。しかし、ボルボ&ベンツショックが尾を引くのか、プライスを見るのが恐ろしい。もし300万円、400万円なんてプライスがついていたら、どうしよう……なんて、買いもしないくせにドキドキしたが、119万8000円と安心プライス。しかし、この先どうなるかはわからない。次にお目に掛かる時もぜひ、このぐらいの値段でお願いします!
カブリオレだけどポルシェの944が600万円!?
シロッコで気を取り直したのもつかの間、またしてもヒザがガクブルな1台に出会ってしまった。それはポルシェ944 S2 カブリオレだ。
今でこそ、ポルシェにはパナメーラやカイエンなど、フロントエンジンのクルマも人気となっているが、当時は928は別格として924やこの944は、まぁ、人気がなかった。「マツダRX-7?」なんて思ってた人も多かったのではなかろうか。丸目の968でやや人気を得た感じもあるが、「やっぱりポルシェは911でしょ!」という意見が大半だった。
944 S2は3Lの4バルブエンジンを搭載、最高出力はNAながら211PSと、なかなか頑張っていた。乗ったことはないがハンドリングはRX-7が手本にした、な〜んてコメントを当時の雑誌で読んだ覚えがある。名車ではあるが、不人気車だ、正直。
筆者のイメージだと、素の944 S2(クーペ)なら100万円前後、カブリオレでも150万円いけばいいとこでしょってなめてたら、なんと、なんと! 600万円!! 「ウソでしょ!?」って驚いた。「964(911の型式)かい!!」
でも、冷静になってみたらこのクルマは91年式で、すでに車歴は27年。立派な旧車だ。これまた筆者予測ではあるが、同時期に生産された911(964)よりも、現存数は少ないのではなかろうか。今後はますます価格が上昇するかもしれない……。
ジャガーのXJSカブリオレも300万円を超えてきた
旧車の中でも英国車はデリケートなクルマという印象を持つ人が多いだろう。ジャガーの12気筒エンジン車も正直「壊れるクルマ」と、筆者は思ってしまう。義理の父が乗っており愛着はあるのだが、故障と無縁とはいえない。
そのためか、中途半端に古いジャガーは安い、そんな先入観がある。XJSもその1台だ。
しかし、80年代外国車の値上がりの波は、ジャガーにも押し寄せているようだ。プライスは87年式で330万円。新車当時の価格からみればずいぶん安い印象だが、過去の経験則だと旧車は値段が上がり出すと一気に上昇することが多い。このジャガー XJS カブリオレもタマが少なくなると同時に値を一気に上げるかもしれない。気づけば500万円超、油断すると1000万円超え……そんな瞬間が訪れるかもしれない。定番色のブリティッシュグリーン以外のクルマは特に、要注意だろう。