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表紙をデザインしたのは通りがかりの占い師!?大学ノートの定番「ツバメノート」の謎

2018.08.17

ノートの罫線は1本1本引かれている

ツバメノートの最大の特長は「ノートの罫線が水性インクで引かれていること」だと渡邊社長は語る。

ペンには水性、油性とあるが、ノートの罫線にも水性インクと油性インクがあるのだ。しかし水性、油性でいったい何が違うのか。

渡邊社長「油性の罫線だと、水性ペンで書いたときに水性インクが罫に弾かれてしまいます。たとえば万年筆で書くと、油性の罫線の上に乗ったインクが弾かれてしまうのです。書き心地としては罫線に引っかかる感じがします。罫線が水性なら、一切引っかかりがなくスーッとなめらかに書けます」

現在はオフセット印刷で油性インクを使ったノートが多い。

「実際のところ、違いはごくわずかですけれどね。昔は万年筆を使う人が多く、罫線が油性か水性かで書き心地の違いを実感される人が多かったんじゃないでしょうか」

たしかに、メーカーによって書き心地は微妙に違う。あまりに微妙で気にならないと言ってしまえばそれまでだが。しかしツバメノートはこの書き心地のために水性インクの罫線にこだわってきた。

しかも罫線は印刷されているのではない。1本1本、線引きされている。

その現場を見せてもらった。ツバメノート本社の近所にある町工場で井口罫引所という。インクで罫を引くから「罫引き所」。

数え切れない糸が吊られた罫引き機械。薄い色の罫線が細く、美しく、引かれていく。昔ながらの機械と操作技術をもった職人さんはもはや数えるほどだ。

井口罫引所の井口博司社長。

「この機械も古いですからねえ。壊れたら修理が大変ですよ」と井口罫引所の井口博司社長は心配そうに言う。

今、日本ある罫引所はここだけ。この機械も希少な存在なのだ。

1947年(昭和22年)の発売当初から変わらぬデザイン、変わらぬ罫線を引くツバメノート。それを支える機械は現在、寿命に近づき、職人は減りつつある。このままでは伝統のツバメノートが危ういではないか。大学ノートの危機ではないか。

と、危惧していたら、渡邊社長から「自社工場の立ち上げ及び、罫引き機械の新規作成等も考えております。技術も私の弟に継承していきます」と力強い言葉をいただいた。背見出しと、謎に包まれた表紙デザインが、いつまでも変わらぬよう願う。

他社とコラボしたツバメノートは増え続けている。スヌーピー、ミッキー、ムーミン、ミッフィーからスターウォーズ等々、国内外の有名キャラクターが勢ぞろい。

ツバメノート
Tel.03・3862・8341
http://www.tsubamenote.co.jp

取材・文・撮影/佐藤恵菜

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