安くて楽しいドン・キホーテは一日にしてならず。長い年月をかけて工夫を凝らしてきた、知られざるドンキのこだわりを一挙大公開!【ドンキをワンダーランドに変える職人たちの演出テクニック】
商品を探す楽しみがドンキをワンダーランドにする
ドン・キホーテは不思議な店だ。2020年に売上1兆円を目指す大企業にもかかわらず、店によって出店形態がすべて違う。その理由は「変化対応」のため。現場の声を何よりも大事にし、品揃えから演出まで、お客さんの要望に現場が即座に対応していく。だから、店によって仕入れの内容も、販売価格も全く異なるのだ。
天井まで高く積み上げ、曲がりくねった通路に商品が所狭しと置かれる、ご存じ〝圧縮陳列〟は、ドンキの代名詞といえるが、当然、店内で商品を探し出すのは大変。通路で迷うこともしばしば。しかし、たどり着いた先には〝激安品〟が待っている。そしてこの迷い、たどり着くという時間が、ドンキを単なる店から商品に出会うためのワンダーランドに変え、買い物を楽しくしてくれるのだ。
この演出ノウハウを生かした、ドンキプロデュースのファミマが6月にオープン。お客さんに長居させることを目指して店作りするドンキと、元来早くて便利さが求められるコンビニ。果たしてどのような化学反応が起こるだろうか。
ゴチャゴチャしたレイアウトに売上アップの秘密あり
【ビックリ度 !!!!!】
圧縮陳列職人
陳列を変えるタイミングは「飽きたら」。頻度としてはだいたい2〜3日に1回。その理由について荒木さんはこう語る。「来るたびに棚が変わっていると新しい発見があって楽しいので、頻繁に変えるようにしているんです。たまに来るアルバイトさんは毎回場所を覚えるのが大変だと思います(笑)」
(1)倒れないよう積み木のように縦横交えて置く。崩れにくい置き方は今でも日々研究中。
(2)段ボール4箱分のお菓子が、すべて棚に並んだ。2人がかりの作業で所要時間15分ほど。
MEGAドン・キホーテ渋谷本店フード・リカー MDプランナー
荒木雄太さん
売り場担当9年目。渋谷本店の前は中目黒本店に勤務。地域に合った仕入れをするため、新店舗に配属されたらまずは周辺を歩き、街を知るように心がけている。