■連載/阿部純子のトレンド探検隊
「レサワ女子」が大集合したレモンサワーイベント
“わるならハイサワー”のCMでおなじみの酒の割り材「ハイサワー」。ハイサワーを販売する博水社が主催する「レサワ女子会」が東京駅八重洲口にあるビストロ「Tokyo Beer Paradise by Primus」で開催された。
「ハイサワー」は1980年に発売された、日本初のレモンサワー用割り材飲料。イタリア・シチリア産のレモン果汁を使った甘くないすっきりとした味わいで、レモンを使わなくても焼酎と割るだけで爽やかなレモンサワーができる。自分好みの度数で作れる、アレンジがきく、レモネード感覚でそのままノンアルコール飲料としても味わえる、調味料として料理にも使えるなど、飲食店だけではなく、家飲みでも重宝するのがハイサワーだ。
従来のレモンサワーといえば“昭和ぽい”“オジサンぽい”というイメージがあったが、最近はインスタ映えする“進化系レサワ”が続々と登場。レサワ専門店も増えてきて、「レモンサワー好き女子」=「レサワ女子」なる言葉が生まれるほど人気を博している。
イベントではハイサワーを使ったレモンサワーの飲み放題や、料理家・バーテンダーの藤村公洋さんによる「レサワ講座」、藤村さんが考案した “進化系レモンサワー”の飲み比べ、料理のペアリングなど盛りだくさんで、会場はレサワ女子で満員となった。
「ハイサワー」の名物といえばカレンダーをはじめとした「美尻グッズ」。イベントではじゃんけん大会による美尻グッズプレゼントもあり、博水社三代目社長の田中秀子さんが、ハイサワーがなぜ美尻なのかを解説してくれた。
「テレビ番組の『タモリ倶楽部』でハイサワーが紹介されて、商品の認知度が一気に高まり感謝の意味もこめて、番組オープニングのお尻ダンスにちなみ美尻グッズを作ったのがきっかけ。居酒屋でポスターや吊り下げ旗が盗まれて話題になったこともあり、男性だけでなく女性からもカワイイと好評です」(田中社長)
“レモンサワーの伝道師”藤村さんによるレサワ講座
イベントではプロのバーテンダーである藤村公洋さんによるレサワ講座を開催。“レモンサワーの伝道師”の異名を持つ藤村さんは、20代からバーテンダーを中心に飲食業に携わり、2012年には自身の経験をつづった「病気になったバーテンダーの罪ほろぼしレシピ」(講談社)を上梓。以来、料理家としても活動している。2016年からフードライターの白央篤司さん(写真左)と共に「レモンサワーのススメ」と題したイベントを不定期で開催している。
“レモンサワーはカクテルである”を持論とし、レモンサワーのおいしい作り方や進化系レサワを紹介している藤村さん。進化系レサワとは、焼酎の代わりにジンやウォッカを使う、シロップ漬けや凍らせたレモン、ジャムを使うなどアレンジを加えた新しい感覚のレモンサワーのこと。
「レモン果汁と炭酸と砂糖で構成されているハイサワーは、ジンを入れればジンフィズ、カカオを入ればカカオフィズ、ラムを入れればラムフィズになる。バーテンダーからするとハイサワーのような割り材は上物だと理解すると、それを使っていろいろなことができる。
雑誌で見かける1週間コーデの着回しのいいジャケットがハイサワーだと考えればいい。ボトムス=お酒で、焼酎だけではなくウイスキー、ブランデー、ビール、ワイン、ラム、マッコリとなんでもいい。同じジャケットを着ていても、女性ならボトムスがスカートかパンツかで印象は変わる。シャツ、ブラウスはトッピングだと考えればいい。基本のレモンサワーに山椒やしょうがのしぼり汁、塩をちょっと足すといったアレンジでも、進化系レサワといえる。
飽きてしまう割り材というのは最初からできあがった味になっている。例えば清涼飲料水として飲んでいる甘いサイダーを割り材として使うと、最初から完成されている味なので味が過剰になってしまう。その点、ハイサワーは一歩引いた味になっており、何かを足すことで完成する。ハイサワーはカクテルを作る際のシャンパン代わりにもなるし、レモネードとして使える割り材で、混ぜるだけで簡単にカクテルを作ることができる」(藤村さん)