チーズフォンデュといえばあつあつのチーズを具に絡めて、フーフーしながらいただく冬のちょっとした贅沢メニュー。しかし、そんなチーズフォンデュが、夏にも味わえるのをご存知だろうか。
成城石井がプロデュースするワインバー「Le Bar a Vin 52 AZABU TOKYO(ル バーラ ヴァン サンカン ドゥ)」では、夏季限定で冷製チーズフォンデュ食べ放題を実施中。そこで、本メニューを考案した水野シェフに、「冷たいのにちゃんとチーズが溶けるのか?」「熱いのとどう違うのか?」など素朴な疑問を聞いてみた。
冷製チーズフォンデュがこの夏登場!
「Le Bar a Vin 52 AZABU TOKYO(ル バーラ ヴァン サンカン ドゥ)」は、麻布十番をはじめ都内や神奈川県に計6店舗あるワインバー。2018年8月31日までの期間限定で新メニューの「イタリア産マスカルポーネとリコッタの冷製チーズフォンデュ」が食べ放題に。
自家製チーズフォンデュソースは、軽くて爽やかな味わいを実現しているのだという。
そしてフォンデュする食材は、三浦半島青木農園から産地直送で届く、蒸した夏野菜や、直輸入の海老、バゲットなど。
この冷たいチーズフォンデュは、日本では珍しいように見えるが、フランスやイタリアの本場でも楽しまれているものなのか? Le Bar a Vin 52 AZABU TOKYOメニュー開発担当者 である水野翔太シェフに聞いてみた。
「ヨーロッパで食されているかは、定かではありませんが、そもそもチーズフォンデュの概念から外れてはいるので、一般的に浸透している食べ方ではないと思われます。日本は春夏秋冬がはっきりとしていることから、季節に合わせた食べ方の提案として着想された日本人らしい発想なのではないかと思われます」
冷製チーズフォンデュは何が違う?
どうやらこの冷製チーズフォンデュ、日本独特のもののようだ。通常の熱いチーズフォンデュとの違いはどこにあるのだろうか?
「まずチーズのタイプが違います。熱いチーズフォンデュに使用されるのは、長期熟成タイプのエメンタールチーズやグリュイエールチーズで作るのが伝統的。今回の冷たいチーズフォンデュは、フレッシュタイプのリコッタチーズ、マスカルポーネチーズを使用しています。熱いチーズフォンデュは、加熱して美味しさが引き立つチーズを使いますが、冷たいチーズフォンデュは、冷やして美味しさが引き立つチーズを使います。
熱いものはとろけるチーズの印象が強いですが、冷製フォンデュはチーズのビシソワーズ(冷製スープ)のようなイメージで、濃厚でありながら後味はさわやかで白ワインによく合います。隠し味にアンチョビ、レモン、青森県産のにんにくが効いており、夏の暑い日でも食欲をかき立ててくれます」
この冷たいチーズフォンデュは、その細かい味わいまで、シェフの力作だそうだ。
「食材にまとわりつくための粘度と、食べた際の味わいのインパクトである塩味、酸味、旨味などの調節に苦労しました」
ちなみに水野シェフがおすすめの具材を尋ねると「夏野菜はもちろん、バゲットなども非常に合いますが、特に海老がオススメです」とのことだった。