火がついたゆとり世代は想像を超える力を発揮する
実際、これらのポイントを刺激して火がついたゆとり世代の部下は、どのような仕事ぶりに至るのか。伊庭さんの体験談を聞いた。
「これらのポイントを刺激したとき、本人が納得している場合は、想像超える力を発揮します。例えば、新人営業でこんなケースがありました。営業活動がうまくいかずに悩む同期に対して、みんなで解決策を話し合い、営業の練習を行い、結果的に全体の底上げが行われたのです。その会社の話では、新人の営業スコアが例年より10%も上がったといいます。これは『自分が勝つより、みんなで勝ち取る』ことへの欲求が強いことがうかがえるエピソードです」
一見、競争心がないと見受けられるゆとり世代の彼らも、一旦火がついて自分のモチベーションが上がると、底力を発揮するようだ。この辺り、上司としては理解を深めてポイントを踏まえて実践してみる価値がありそうだ。
取材協力
伊庭正康さん
リクルートグループでの営業、関連会社代表等を経て、2011年研修会社(株)らしさラボを設立。年200回以上の営業職、リーダー職への研修、講演を行い、リピート率は91%。『営業・セールストークのキホン(すばる舎)』等、多数の著書がある。
(株)らしさラボ http://www.rasisalab.com/
取材・文/石原亜香利