ちょっと怒るとすぐ辞める、仕事への情熱が感じられない…。そんなことをゆとり世代の部下に対して感じているなら、いっそ、意欲を高める施策を立ててみてはいかがだろうか。大事なのは、相手を知ること。そしてコツをつかむこと。
今回は、ワクワクづくりコンサルタントの伊庭正康さんにゆとり世代のモチベーションを高めるポイントを教えてもらった。
ゆとり世代の特徴は?
一般的に「ゆとり世代」は小中学校で2002年度施行、高等学校で2003年施行の学習指導要領による「ゆとり教育」を受けた世代といわれる。その世代の特徴としてよくいわれるのが、「打たれ弱い」「消極的でやる気が低い」「主体性がない」などだ。
伊庭さんにとって、ゆとり世代の特徴とはどのようなものと感じているのだろうか。
「ゆとり世代の方は、ナンバーワンになる、競争に勝つといったモチベーションよりは、誰かのために役立ちたいといった貢献志向の高い方が多いです。その背景には、わざわざ競争して勝ち取りたいものが明確にないことが考えられます。
そして、学校教育の中で培われた『いたわりの気持ち』を持っていることも原因です。もちろんキャリアアップやポジションアップを志向する方も少なくありませんが、それよりも重要なことが彼らにはあります。誰かのために役に立ち、自分らしくありたいという思考の方が多いです」
ゆとり世代のモチベーションをアップするポイント
ゆとり世代を部下に持つ上司は多いはずだ。一般的にやる気が低いといわれる彼らに火をつけられる上司は、非常に重宝されるだろう。そこで、ゆとり世代のモチベーションを高めるポイントを伊庭さんに伝授してもらった。
1.リレーション~絆を感じる機会を与える
「同期の中で1番になるといったことではなく、同期同士で助け合って最高の成果を上げるというほうが彼らのモチベーションは上がります」
2.ロールモデル~お手本探しの手伝いをする
「彼らはロールモデルを探す傾向があります。そのため、部署を越えた先輩との接点作りなども重要なポイントになります」
3.意味づけ
「なぜこれをするのか、誰が喜ぶのか、何が困るのかといったことを伝えることで、彼らはやる意義を感じます」
4.スモールステップ
「彼らは一つ一つ丁寧に仕事を覚えていくことで、成功体験を感じる機会を感じます。あれもこれも一気に無計画に教えると『思った以上にしんどい』と自信を失います」
5.感謝する
「『ありがとうね。その調子でよろしく!』といった声かけが自信につながり、その行動が強化されます」