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フルサイズのボディーにAB級で手堅くまとめたパイオニアのアンプ「A-40AE」はNautilus 801を鳴らせるか?

2018.07.28

■連載/ゴン川野のPC Audio Lab

私が最近、凝っているアンプは、クラスDと真空管アンプと両極端である。リファレンスのパワーアンプはクラスABなので全体としてのバランスは取れているのだ。最近、聞いたクラスABのプリメインアンプでは、オンキヨー『A-9150』が好印象だった。DAC内蔵、MM/MCフォノイコライザーアンプ内蔵、トーンコントロールがあってダイレクトモードもある。出力は60W+60W(4Ω)で、直販価格は4万6135円(税込)である。

これと同じ価格帯でパイオニアブランドで6年ぶりに発売されるのが『A-40AE』。クラスABでMMフォノイコ搭載、DAC内蔵(USB接続非対応)、出力は60W+60W(4Ω)で、直販価格5万2790円(税込)7月下旬発売予定となる。同価格帯でライバルモデルの登場。これは興味深いではないか。

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パイオニアの基本思想はダイレクトエナジーデザインであるという。これは「信号経路の最短化」、「クリアな電源供給」、「クリーングランド設計」の3つの技術要素で構成される。

ダイレクトエナジーコンセプトは3つの構成要素からできている。

信号経路の最短化

信号経路の最短化は各社が取り組んでいる課題で、特にDACではシビアに追求されている。信号経路の最短化の見地から見れば外部クロックよりもクロック内蔵で、セパレートアンプよりもDAC内蔵プリの方がいいということになる。DACとプリメインアンプ内蔵のアクティブスピーカーという製品もあるわけで、どこに正解があるかは未だに分からない。『A-40AE』ではダイレクトエナジーコンストラクションと名付けた構造を採用した。基板への電源供給に線材を使わず、専用基板を用意して、これを通常の基板の下に入れて基板上のパターンで電力を供給する。線材を使って空中配線した方が最短距離になりそうだが、線材はインダクタンスがあるためノイズに弱く、さらに配線の位置が微妙に動くことから、基板のパターンでの電力供給を試したところ、大きな音質向上があったため採用を決めたという。

ダイレクトエナジーコンストラクションとは、線材を極力減らして、専用基板にパターン化することでノイズを拾うことを避けている。

『A-40AE』の内部構造。手前がスピーカー端子のあるリアパネル。上がフロントパネル側となる。右に大型のEIトランスがあり、その下が電源部、センターにある巨大なヒートシンクが増幅部のパワートランジスターである。

基板を裏返したところ。手前の濃い色の基板が電力供給用に追加された基板で色の濃い部分の表側にパターンが敷かれている。※専用の基板は分かりやすいように画像加工しており実際の製品はメインの基板と同色である。

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