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パブとフィリピン料理と居酒屋が融合した綱島の異空間『M』

2018.07.21

『カラオケ、濁点、そして老眼』

 我々としては和風の居酒屋メニューもいいが、せっかくだからフィリピン料理が食べたいと、なにかできるか聞けば、『シシ』ができるという。

 ブタの耳とかを細切れにして炒めた、オレの大好きなフィリピン料理だ。当然それを注文すると、頼んでいたホッピーに、お通しのモヤシナムルと厚揚げの煮物を2点盛りにした鉢が届く。

 それらが置かれたテーブルだけ見ると完全に和風居酒屋である。だがちょっと右の方を見ると、そこは完全にフィリピンスナック!!

 さらに深まるハイブリッド感! そのとき突然、先客のカラオケが始まった!

 『藤原浩/ふたりの始発駅』……歌手も曲も初耳!! だいたい“フジワラヒロシ”って、DJとかデザイナーやってるオシャレな人以外にもいたのか?

 それにしても『ふたりの始発駅』……この店がオレにとっては異世界への始発駅だよ!

 そんなカラオケで盛り上がってる最中に、お店の女性が我々に一言つげる。

「オニィサン、『シシ』、デキナイ。『ボピス』ナラデキル」

 突然の料理変更願いが告げられるが、そもそもボピスってなに?

「ボピス、オイシィ〜ヨ!!」

 逆に食べたことない料理の方が好奇心は満たされるんで、当然ポピスをお願いすると、と出てきたボピスは、ブタの耳細切れとパプリカなどの野菜をトマト系で煮込んだ料理だった。シシに野菜が加わって味付け変えたようなもんなんで、きっとシシを作るには肉部分が少なくって、急遽この料理に変更したのかもしれない。

 しかしこれがムチャクチャウマかたった! 今までフィリピン料理で一番うまかった、マニラで食ったシシと双璧の味。

 この時点でテーブルを見れば完全にそこはフィリピン料理屋! 

 しかしBGMは、DJじゃない藤原浩の演歌カラオケ!! 新パターンの魅惑のハイブリッド世界が広がる!!

 ホッピー中を4杯ほどお代わりして異世界を堪能。御会計は二人で3800円。スナックとしてもフィリピン料理屋として安い!!

「おいしかった、ポピス!」

 帰り際にそういうと、

「『ポピス』ジャナイ、『ボピス』!!」

 と指摘を受けた。そんなのウェブで見たら、ほとんどわからなねェ〜よ、おまけにこちとら老眼だし!

 それはともかくイイ店だった。しかし、この直後、我々はこの近所にまた一軒、やけにいい店を発見するのだった!

文/カーツさとう

コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。

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