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人はなぜ、水中で溺れるのか?

2018.07.15

「日本で発生する溺水事故」?

 日本における水難事故者は、『平成29年における水難の概況(警察庁生活安全局地域課)』によると、平成29年1614人(うち死者・行方不明者679人)、死者・行方不明者が発生した場所は、海384人(56.6%)、河川174人(25.6%)、湖沼地57人(8.4%)、用水路55人(8.1%)、プール2人(0.3%)でした。例年、「海」の事故の割合が高い傾向があります。

 4方を海に囲まれた日本の海岸線は約3万4000kmで、米国の1.5倍、中国の2倍と非常に長く、世界でも数番目であることも、海の事故の割合が高い一因かもしれませんね。

 海の事故や救助、事故予防啓発に関わる「海上保安庁」の最新資料である『平成29年海難の現況と対策(交通部安全対策課)』を元に考えていきましょう。

 なお、上記「警察庁」資料と事故数や事故者数に相違があります。これは事故が発生した場合、(例: 警察及び海上保安庁が共に救助に当たった場合)などには、両機関それぞれの資料に算定されることも関係しています。

 海の事故(海難事故)には、「人身事故」と「船の事故」が含まれます。日本の海で

 亡くなった(行方不明者含む)方は、1153人(平成29年)でした(海上保安庁が認知したもの)。過去の資料からも、毎年1000人以上の方が犠牲になっています。

 ここでは、「溺水」と関連しやすいことから、「人身事故」の中でも、「マリンレジャーに関する海浜事故」、特に「遊泳中の事故」について、詳しく見ていきましょう。

【事故内容別事故者の割合(平成29年)/海難の現況と対策80pより】

 平成29年の「遊泳中の事故者」は、262人(うち死者・行方不明者97人)でした。事故者262人を事故内容別で見ると、「溺水の占める割合」が63%(164人)で、例年と同様に高いのです。

 遊泳中の事故は、例年7~8月に多発しますが、「平成29年は7月下旬に梅雨前線や湿った気流の影響で曇りや雨の日が多く、8月上旬から中旬にはオホーツク海高気圧が出現し、北・東日本太平洋側では、月間日照時間が少なかったことが影響し、遊泳者が減少し遊泳中の事故が(前年と比べ)減少したのではないか」とされています。

 事故の減少が、(安全意識の向上だけでなく)天候などの要因も関係するとなれば、決して油断は出来ません。

【事故発生数及び死者・行方不明者数の推移(過去5年間)/海難の現況と対策80pより】

 過去5年間を見ると、事故者や死者・行方不明者数は増減していても、「死亡率は36~37%」とほぼ一定に推移している現実に驚きませんか?

 安全への意識を高め、夏の海を楽しみたいですね。

資料協力:
海上保安庁 交通部 安全対策課
『海の安全情報ページ』
https://www6.kaiho.mlit.go.jp/info/marinesafety/jikotaisaku.html

文/倉田大輔(池袋 さくらクリニック院長)

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