筆者、検証実験で最大の問題に気づく
いきなりだが、「作り方」を遵守したカップラーメン作りの検証結果を記していきたい。
まず、「(1):正確な水の計量」は簡単にできた。
次に、「(2):湯沸かし器に残るお湯」も、見事に平均をとって、仮説通りに湯を沸かすことができた。
そして「(3):湯を入れて5分後にフタを開ける正確無比なタイミング」と「(4):一滴残らず液体スープを入れる工夫」については、改善の余地がありそうだ。
最後の「(5):手早く正確に麺とスープと具材を混ぜ合わせ、いち早く口に運ぶ箸さばき」は、問題ない。根性と気合の世界だ。
「まあまあ順調やん」
検証実験を終え、呑気にラーメンをすすりながら一言つぶやいた筆者。しかし麺を食べ終え、スープを完飲するべきか迷って台所に目を移したとき、大変なことに気づいてしまった。
(あれ? そういえば俺、検証実験の様子を1枚も撮影してへんな……)
急に口の中からラーメンの味が消えていった。んん? これじゃ原稿が書けないのでは……?
「いや、書けへんやろう……書けへんやないか!!!!!」
「作り方」を完全遵守する今回の企画。ラーメン作りにいそいそ励む最中に、カメラで撮影している余裕はない。手一杯だ。つまり写真を掲載できないので記事として成立しない。
ライターとして真っ先に考えるべきこの問題をすっかり忘れていた筆者。「あまりにアホやんけ」と頭を抱えた。
(え~……この企画、カメラマンが必要なの……?)
試しに写真を撮りながら挑戦してみると、麺がダルダルに伸びてしまった。筆者の大好きな「麺づくり」が……。
(こんなアホな企画に誰が付き合ってくれるのよ……?)