■商品として魅力的か? ★★★★(★5つが最高点)
その「MINI ONE」に「VICTORIA」(ヴィクトリア)という特別仕様車が設定された。試乗したのは、このVICTORIA。ユニオンジャックのモチーフがデザインされたLEDテールライトユニットや、通常はONEには設定がない「ヘリ・スポーク」タイプの15インチ・アルミホイールなどが標準で装備される。
試乗車には装着が間に合っていなかったが、専用デザインのサイドスカットルなどでも特別仕様車としての演出が施されている。走りっぷりは申し分なく、お買い得な設定になっている「MINI ONE VICTORIA」はキャラクターの魅力たっぷりのコンパクトカーに仕上がっていた。
ただ、他のグレードには標準装備される「MINI Connected(コネクテッド)」や運転支援デバイスなどがオプションでも装備できないのは残念だった。特に「MINI Connected」はApple「CarPlay」を含む多彩な機能が盛り込まれており、日常的な使い途で安全性と利便性の幅を大きく広げるものだけに、装備が望まれる。
MINIを選ぶような多彩で積極的なライフスタイルを持ち、新しいテクノロジーやクルマの使い方に興味と関心の高い人ほど欲するのではないだろうか? クルマの販売価格を上げてしまうことを危惧しているのならば、ぜひ、オプションには設定してもらいたい。
これまでも、MINIでは「VICTORIA」のような特別仕様車や限定車が頻繁にリリースされてきた。専用ボディーカラーや装備などで魅力を高め、MINIブランドの存在感を発信してきている。その展開が走りっぷりと同じように小気味良く、クルマの新しい可能性を探っているようにも見えてくる。
文/金子浩久(モータージャーナリスト)
■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ